日向と木陰 3

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なんか拍子抜けして、噛み付くようにそいつに文句を言ってる慧の肩をそっと叩く。
慧が振り返って、
「……ゆーと、何でここにいるんだよ！？ちゃんと先生に肩、診てもらったの！？」
「大丈夫、たいした事ないから。それよりそいつだろ？慧に言い寄ってるってのは。」
慧がむくれた顔をして嫌そうに頷く。
俺はメガネに向かって、
「俺、お前の気持ち分かるから。どれだけ慧が魅力的で手に入れたくなるか、嫌って程知ってるから。」
そう言うと慧が何を言い出すんだという顔で俺を見る。
「でも、諦めて？絶っ……対に俺の方が慧の事お前より好きだから。もう、好きでどうしようもなくてこのまま地球一周走って戻って来てお前の事はっ倒すくらい、どーしようもなく好きだから。」
にっこり笑って慧を引き寄せて、メガネに見せつける様に後ろから羽交い締めするみたいにぎゅっと慧を抱きしめて、
「すごい加速ついてるから多分お前死ぬよ？………と、いう訳で、2度と慧に近づかないで？そうしないとマジで俺、お前に何するか分かんないから。」
最後は真顔になって警告すると、メガネは後ずさってどこかに消えた。

ふぅー、良かった良かったと慧から腕を離すと左肩がズキっとして、
「痛っ！」と声が出る。
「………ゆーとっ、大丈夫？？早く診てもらわなくちゃ………。」
慧が俺の左肩をまた優しくさすってくれながら、
「ごめんね、迷惑かけて………。でもさっきのゆーと、すごいかっこよかった………。」
慧が顔を赤らめる。

おぉ、これは！災い転じてってやつ？？

「俺こそ心配かけてごめんね。慧がせっかく忠告してくれてたのに。でも慧に何もなくて本当に良かった。あいつももう近寄ってこないだろうし。」
笑顔でそう言うと、
「うん、もし近寄ってきてもこの世で1番大切な気になる人がいるからって何度でも断るね。」
慧も笑顔で答える。

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