日向と木陰 3

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「……いっ、てぇ……。」
当たる直前に咄嗟に頭をかばって左肩から突っ込んでいったらしく、ものすごく左肩が痛い。
うずくまっていると駆け寄ってきた慧が、
「ゆーと！大丈夫！？頭打ってない？？」
俺の頭を撫でて泣きそうになっている。
「……慧……大丈夫……頭をかばったから左肩が痛いけど……。」
慧に支えられてゆっくり起き上がる。
先生達や周りの皆んなも、中島、大丈夫か！？と心配してくれている。
慧は俺の左肩を優しく撫でて、
「ゆーと、ごめんね。俺のせいだ、俺が悪い…。」
「……なんで？慧は何も悪くないよ。」
慧は辛そうに、
「違うんだ。俺、見たんだ、ゆーとにぶつかっていった奴………。」
そこで言葉を区切ってから急にキリッとした顔をして、
「ゆーとと離れたくないけど、でも、俺行ってくる！」
もう一度俺の肩を撫でてから、慧が立ち上がって走って行った。
「慧！待って！」
立ち上がって後をついて行こうとすると先生が、
「中島、とりあえず保健の先生に見てもらえ……。」
というのを振り切って左肩を押さえながら慧の後を追った。

宴会場を出て慧はどこだと探すと遠くの方から慧の声が聞こえる。
あっちだ！と右の方へ廊下を進んでいくと、慧がひょろひょろとしたメガネをかけた男に詰め寄って大きな声を出していた。

「ゆーとに何するんだよ！！絶対に許さない！」
慧の声にビビりながらメガネの奴が、
「……い、伊野尾くんが悪いんだ！俺に気を持たせておいて、あ、あんな奴と仲良くして……。」

そっか、あいつが慧に言い寄ってるメガネか。
………にしてもびっくりする位に弱そうな奴だな

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