日向と木陰 2

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あいつと同じでも嬉しいんだ………。
俺と慧の温度差を感じていると、
「………でも、ゆーとと一緒ならそれでいいけど。」
ボソッと呟く慧に途端に気分が上がって、
「俺も。一緒のクラスになれてもっと慧の事気になっちゃうかもなぁ。」
そう言うと慧の頬がポッと赤くなる。
お？いい感じと内心にやにやしていると慧が、
「どうしよう………ゆーとの事が気になって勉強が手につかなくなったら困る。」
少し悲しそうな顔でそう言った。

………超恋愛初心者のくせに俺を翻弄する気か？
でもまだまだ俺には敵わないぞ？

「じゃあ、一緒に勉強しようよ。そしたらもっと仲良くなれるし2人で成績も上がるし一石二鳥だよ？」
「……ゆーと、天才じゃない！？そうだね、今まではせっかく会えるからって勉強なんてしてる場合じゃなかったけど、これからはずっと一緒だから勉強も出来るね！」

はい、これで慧が俺とますます一緒にいたいと思わせる事に成功です。
こうやって外堀から埋めていって、少しづつ俺への恋心を育ててあげるからね。

まぁ、何にせよとりあえず恋愛RPGを成功させる為に同じクラスになれて何よりと勝ち誇った気持ちでいると、
「ね、ゆーと。」
慧が俺を上目遣いで見ながら、
「でも勉強だけじゃなくて、また肩にもたれて寝たりしてもいい……？」
甘える様に言ってきた。

可愛いが溢れて爆発しそうなのを抑えて、ロボットみたいに機械的にもちろんと答えると慧が嬉しそうに笑った。

………ちょっと、え？なんかやっぱり翻弄されてる……？


俺には敵わないとか、育ててやるとか大きな事を言っていたこの時の自分に教えてやりたい。
惚れた弱みってすごいんだぞって。


とにかく慧と一緒のクラスで過ごす１年が始まった。

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