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心臓がズキズキと痛みながらも封筒を開けると、またひと回り小さい薄いファイルが入っていた。
ゆっくりと開いていく。
それは小さなアルバムだった。
中島が撮ったであろう写真が貼られている。
日本では見られ無い、大きな自然を写した息を飲む様な鮮やかな風景。
雑然として、でもそこで生活をする人達の呼吸が聞こえてきそうな街角の風景。
…………すごい。すごいなぁ。
あまりにも素晴らしく切り取られた写真たちに圧倒されていると、突然可愛らしい小さな女の子2人が庭で遊んでいる写真が見えた。
そして次のページではいきなりその女の子達がアップで写真いっぱいに笑っていた。
中島らしいな。
ふっと笑って、微笑ましい気持ちで最後のページをめくる。
『………………。』
空の写真だった。
青から水色のグラデーションがとても綺麗な。
刷毛でさっと描いた様な薄い雲がそこに浮かんでいる。
どうして、中島はこのアルバムを送ってきたんだろうと思っていた。
忘れようと必死な俺の心をまた震わす為に、意地悪したんだろうか。
ううん、違う。底抜けに優しい中島がそんな事をする訳がない。
じゃあ、なんで………。
その謎がこの空の写真で解けた。
随分前に遠距離恋愛している人達の話をしていた中島の声が蘇る。
『俺もアメリカに行ってた時に空を見て、伊野尾さんと離れてるけど同じ空の下にいるんだから頑張ろうって思ったんだ。』
………応援、してくれてるの？
遠く離れてしまったけれども、中島はちゃんとカメラの腕をあげて頑張っている。
伊野尾さんも頑張って。
中島の声が聞こえるみたいだった。
別れてしまったけれども、でもお互い同じ空の下で頑張ろうって。
『…………中島………。』
空の写真を指でなぞって、名前を呼ぶ。
その途端に何かが決壊した様に涙が次から次へと流れる。
蓋をしてはいけない。
中島の事も中島と過ごした日々も。
それは俺の人生にとって本当に大切な事だから。
『……中島、ありがとう………。』
アルバムを抱きしめて、中島に聞こえないけどお礼を言う。
前を向こう、初めてそう思えた。
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すみるく(プロフ) - なおさん» パロディを書きたい気持ちもありますので、その時はまたよろしくお願いします。いつもコメントありがとうございます！また書こうと元気になれます（＾ν＾） (2021年2月28日 0時) (
レス) id: bb46d11d25 (このIDを非表示/違反報告)
すみるく(プロフ) - なおさん» なおさん、いつもありがとうございます。この2人は大好きなので続きを書きたい気持ちも、新しいお話を書きたい気持ちもありますが、長いお話が続いてしんどくさせてると思うので暫くは短編の方で頑張ります！ (2021年2月28日 0時) (レス) id: bb46d11d25 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - すみるくさん、こんばんは(*^◯^*)恋しくて、完結おめでとうございます(⌒▽⌒) 最後まで中島と伊野尾さんと呼び合う微妙な距離感がありつつも心から惹かれあってる2人が読んでて楽しかったです♪もうすこし続きがあるのかな？楽しみにしてますね^_−☆ (2021年2月27日 22時) (レス) id: b814f68454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみるく | 作成日時：2021年2月19日 0時
