新婚、４粒。 2 (ページ11)

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いのちゃんとデート (ゆといのside ゆうと) 1 ページ11

会社帰りにいのちゃんとデートした。
晩御飯を食べて少し呑んで。
ほろ酔いのいのちゃんは電車から降りて家までの道のりを、俺の腕にぎゅっと両腕を絡めてご機嫌そのものだった。
いのちゃんに会う前に降ってきた雪は今も降っている。

「寒いけど、ゆーとがいれば平気。雪、綺麗。ひとりより、ゆーとと見ると、もっと綺麗。」
次々に降ってくる雪を見上げながら眠そうに、だけど幸せそうにいのちゃんが言った。
「温泉、行きたいな。雪の中でゆーとと温泉入る。……でもゆーと、露天風呂貸切でも外でえっちはだめだからね。」
さらにそんな事を言ってくる。

ロマンチックなんだか、そうじゃないんだか。

「そうだね。でも雪が降ってればその中で、なんて盛り上がって我慢できないだろうな。いのちゃんが好きだから。……とても好きだから。」
俺の言ってる事もロマンチックなようで、全然そうじゃない。
だけどいのちゃんの心には響いたみたいで、もっと体を俺に預けてくる。

たまに車が走る音。
横を通る人の足音。
聞こえないはずの雪の降る音。
いのちゃんの呼吸する、小さな音。