甘くて痛い。 2 (ページ20)

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そんな俺に髙木が、
「知ってるよ、大体の話は。友達思いの裕翔と伊野尾くんから聞いてる。いや、実は俺、あいつが有岡くんに近付いてから変になっててさ。ボコボコにしてやるって殴りに行こうとするのを2人に止められたんだ。」
情けねぇ！と髪をかき上げて苦笑いした。
続けて、
「それで2人に、人の心は揺れるものだから仕方ないけど、でも俺は有岡くんの恋人だから止める権利があると思うよって言われて。だけどそうして無理やり閉じ込めて、本当は俺が止めなきゃあいつの方に行ってたんじゃないかって後悔しないかって。」
真剣な表情になる。
「とどめは裕翔に、有岡くんは素直過ぎて困るけど、素直な有岡くんが、計算できない有岡くんが好きなんだよねって言われてさ。その通りじゃん！って。で、裕翔と伊野尾くんに有岡くんのフォローして貰いながら待ってたんだ。」
髙木がふっと笑って、

「ちゃんとあいつの事、ふれた？」

精一杯強がって聞いてきた。
でもしばらく答えられない。
涙が後から後からぼろぼろ流れて止まらなかったから。

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