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少し並んで2人で観覧車に乗り込んだ。
ほっぺにちゅーしていい?、なんてお願いしてきたけど、征は隣じゃなくて俺と向かい合わせに座った。
何となく目を合わせづらくて、観覧車が動き出してからずっと外を見てると、だんだんと上にあがるにつれて綺麗にオレンジに染まっていく景色が見下ろせる。
「綺麗だな。」
はしゃいで言いたいのに、小さな声しか出ない。
「そうやな。」
答えてくれる征の声も落ち着いていた。

でもそれとは逆に心臓がうるさいくらいに騒ぎ出す。
どきどきとズキズキの間くらい、甘いと痛いの、ちょうど半分くらいで。


もうすぐ頂上に着く、その時に征がゆっくりと俺の隣に移動してきた。
俺は驚かずに、景色から目を離して征の方を見る。
すると、
「………なんか頂上がどこか、タイミング良く分からんな。今、どこら辺やろ?」
ちょっと困った様な顔をする征に、観覧車に乗ってから初めて俺が笑って、

「俺が決めていい?……今だと思う。」

そう言って目を閉じて、そっとそっと征のほっぺたにキスをした。

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作者名:すみるく | 作成日時:2023年5月11日 2時

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