またまだ甘酸っぱいの、4粒。 (ページ15)

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彼氏side(ゆうと) (1) ページ15

いのちゃんが塾に行くまで余裕があるからと、放課後、2人でアルバムに載せる写真をひとつの机に向かい合いながら、用紙にプリントされた写真の見本からぼちぼち選んでいた。
いのちゃんから大ちゃんと髙木くんの仲良しエピソードを聞きながら。

「でさー、大ちゃんってさっきうさぎみたいだったんだ。ぴょんって可愛くて。…あ、このゆーと、かっこいい〜！」
いのちゃんが嬉しそうに言ったと思ったら、
「あ、ゆーと、大ちゃんと近い！もう、俺のゆーとなのに！って、あー、髙木といい感じ！男前2人、ずるい！」
ぶつぶつ文句を言う。
途中からそんな俺大好き発言をして、そして最後は、
「……………この写真、欲しいな。」
綺麗な白く長い指でプリントされた紙をなぞった。
どれどれと体を乗り出して見る。

いつのタイミングだろう。全然覚えていない。
けど、俺が正面を向いて笑って、隣にいるいのちゃんの肩を抱いている。
いのちゃんも笑ってる。
学ランを着た2人はひどく子供っぽくて、誰よりも幸せそうだった。