またまだ甘酸っぱいの、4粒。 (ページ1)

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彼女side(いのちゃん) (1) ページ1

随分と秋も深まってきた11月、少しゆとりのある放課後。
久しぶりに4人……じゃなくて3人で色々喋っていた。
そう、ゆーとが担任の田中先生に呼び出されていないんだ。

大ちゃんと髙木と楽しく話しながらも、少しそわそわする。
早く戻ってこればいいのに。
なんて、2人に失礼だからこんな気持ちバレちゃいけないと明るく笑うけど、
「伊野尾くん、無理しなくてもいいよ。裕翔がいなくて寂しんでしょ？田中の所まで迎えに行きなよ。」
優しく髙木に言われてどきっとする。
「えっ？な、何が？？全っ然寂しくないし！」
強がる俺にさらに大ちゃんが、
「俺たちにはお見通しだって！いのちゃん、何回廊下の方をちらちら見てたと思う？ほらほら、早く行きなよ。」
鼻の下を人差し指でえへんっ！とこすりながら得意気に言った。

って、本当にお見通しじゃん。恥ずかしい！！

どうしよう、今すぐにゆーとを迎えに行きたいけどと、悩んでいると、

「お待たせ〜！いのちゃん、大ちゃん、高木くん、それに俺もだけど卒業アルバム制作委員になったからよろしくね！」
爽やかにゆーとが教室に入ってくるから、

「「「卒業アルバム制作委員？？」」」

俺と大ちゃんと髙木の声が揃った。