3-11 来訪キーパーソン！ ページ40
で、ひんひん言いながら泣いているこの人のために、わたしは一体、何をしたらいいの？(笑)
とりあえずこの密室空間……もといVIPルームから早く出たい。
「はあ…………。すみません、僕としたことが」
涙を拭いて眼鏡をかけなおし、長い睫毛のはえた目でわたしのことを見つめるアズール寮長。
「……で、偶然あなたが持っていらっしゃったこの呪術学の本が必要になってくる訳です」
わたしから巻き上げ____じゃなくて、取引をして手に入れた魔導書をぽんぽんと叩いて言った。
「その本と今の話に、どんな関係があるんですか？」
「よくぞ訊いてくれました。実は、惚れ薬を作る際に唱えなければならない呪文がここに書かれているはず……」
本を開こうとして「ん？」と首を傾げる。
「どうしたんですか？」
「開きません、この本」
「へっ？」
貸して、といってわたしが開けようとしたら、扉をノックする音が聞こえてきた。
「寮長！！ 大変です、来ていただいてもよろしいでしょうか？！」
なにやら慌てている様子。何かあったのだろうか。
「ちっ、僕は忙しいのに……今行きます！
Aさん、ここで待っていてくださいね。すぐ戻りますからっ」
本を置き、アズール寮長は早足で部屋から出て行った。
と思ったら、直ぐにドアが開く。入ってきたのはまさかの……！
「お嬢、こんなとこで何してんだ？」
「…………え、ライオンさん？！」
そのお言葉そっくりそのままお返しします。てか、これってどういうことなの？
YOUは何しにオクタヴィネルへ？
「わたしは、その……アズール寮長に呼び出されてまして」
「ほう？ じきに日が暮れちまうけどなぁ？」
な、なんですと？！
時間が確認できるものを一切持っていないわたしは、
いつもこうして人に言われてはじめて焦るのだ。
「え、どうしよ。ここで待っているよう言われたんですけど」
「ふうん、クロウリーとの約束事をやぶるのか」
「…………帰ります」
重たい扉を開けようとすると、何かがぺちんとわたしの足に当たった。
ライオンさんの尻尾か。
「なんですか？」
「……お前、ずっとあのタコ野郎と2人っきりでいたのか」
「まあ、はい」
「………。」
黙ってVIPルームから出て行く。ほんとに何しに来たんだこの人。
早足でさっさと歩いていくレオナ寮長に一生懸命ついていく。
廊下を通りぬけてきたものの、やっぱりあの後が気になるな………。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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ﾜﾋﾞｯﾁ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！コメントいただけて嬉しいです！ (2021年1月28日 23時) (
レス) id: 3bacfd04fc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみません；；頑張って下さいね。 (2021年1月28日 23時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ﾜﾋﾞｯﾁ(プロフ) - 星猫さん» ワンピースはみてないんです…ごめんなさい！ (2021年1月28日 23時) (レス) id: 3bacfd04fc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 一緒に合作しませんか？後、ワンピースは知ってます？ (2021年1月28日 22時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ﾜﾋﾞｯﾁ(プロフ) - 星猫さん» たくさんありますよ〜！好きなのは幽遊白書です (2021年1月26日 22時) (レス) id: 3bacfd04fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾜﾋﾞｯﾁ | 作成日時：2020年12月21日 23時
