▽７ 三者三様…? ページ7
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ぶすっとした様子で綾について行く感じで私の横を歩く瞳。
結局あの後
『お姫様だっこをされるくらいだったら自分で歩く。逃げないから放して』
と叫ぶように瞳が言ったので、私と優斗が隣を歩くこと
を条件で降ろして貰っていた。
「...はぁ」
隣から、何度目か分からないため息が聞こえてきた。
無意識なのか、隠す気がないのか。。。
この状況からすると後者だと思うけれど。
「ごめんね?私じゃ止められないの」
「貴方のせいじゃないわ」
返事が来ないことを承知で一言つぶやけば
予想外にも反応が返ってきた。
それが、柄にもなく嬉しくて、ついつい頬が緩みそうになる。
けれど、前を歩く奏が
「かわい〜じゃねぇの。喰っちまいてーな」
って言う平常運転で
キャーキャーうるさいギャラリーの女の子を口説く声のおかげで
なんとか持ちこたえた。
綾は綾で、いつものように欠伸をこぼしつつ
興味なさそうにけだるげに歩く。
ニコニコニコニコ。
小学生の遠足なのかと思ってしまうくらいの足取りで
感情のバロメーターとも言える、
赤いちょんまげをピョコピョコしながら歩く優人。
男女問わず沢山の生徒が騒いでいるとても賑やかな廊下を
いつも通り周りに笑顔を振りまきながら歩いていく。
女子の声は「カッコイイ」とか、「かわいい」とか、
そんな、見た目だけの言葉。
もう、いつもの事だから慣れたものだけれど。
少し、いつもと違うのは、
「何〜？あの子」
「なんで黒髪なわけ〜？」
「てゆうかあの４人と一緒にいるってだけでムカつくんだけど」
なんていう瞳に対しての黒い発言があること。
コッチ(綾と奏、優斗)が勝手に連れ出したのだから、言ってみたら被害者なのだけれど。
そんなことを知らないギャル達は、瞳をすごい目力で見ている。
正直、いい気分ではない。
それは、きっと瞳だって同じだろう。
「ごめんね?もうすぐ目的地に着くから」
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作者名：雪姫乃 | 作者ホームページ：http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=season1999
作成日時：2017年10月10日 19時
