▽４ 綺麗な線引き ページ4
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「綺麗な子でしょう? 僕も最初見たとき驚きました〜」
優斗と話をしている間に、転校生は教室に入ってきていたみたいで
シンちゃんの声にハッと顔を上げた。
立っていたのは、黒髪の女の子。
周りのクラスメイトと比べ、まったく化粧っ気のない顔。
着崩してない制服。
陽平も着崩してない方だと言えるけれどそれと比べものにならないくらい。
一般的な学校の校則だと思う。
この学校しか知らない私が一般的と言っても説得力に欠けるけど。
「じゃあ、本人にも軽く挨拶してもらおうかな。そのあと窓際の一番後ろに座ってね」
「華月 瞳、です」
軽くにも限度があると思う、名前だけの自己紹介に
この子は周りと接する気が無いんだと悟った。
ソレだけで優斗の後ろの席にやってきて、何を言うでもなく座った。
その後、すぐに休み時間になったのだけれど
やっぱり周りに人が集まることはない。
「「「キャァァァァァァァァ！！」」」
廊下の方がひときわうるさくなったかと思うと
いつもの黄色い声がだんだん近づいてきた。
誰か生徒会のメンバーが来たのね。
「お、噂の転校生ちゃんが居るじゃね〜の」
「おぉマジだ。綺麗めじゃん？」
後ろから、聞きなれた…というかさっきまで聞いていた声。
2年のこの2人がどうしてこの1年の教室に居るのか気になる。
「優等生ってカンジじゃね〜の。優斗、この子だろ〜？」
優斗か。
どおりで、隣からカチカチと音がしていたわけだ。
まぁ、優斗のメール一つで1年の教室にまでやってくるこの
銀と金の意味が分からないけれど。
きっと、陽平あたりが転校生のこと気になって
生徒会室に連れて行く事になると思うのに。
「そうだよー、僕の言った通りでしょー？クールビューティー」
クールビューティーで片付けるには少々問題があると思うの。
ビューティー は否定しないけれど。
クールは通り越してると思うの。
「て言うか、奏と綾は何でここに居るの。陽平に頼まれた?」
「俺らが陽平の言う事、素直に聞くワケないでしょ〜に」
「昴に頼まれたんだっつーの」
この2人が、陽平に頼まれて快くここに来るワケが無いって知ってたけど。
自分の興味があることにしか時間を割かないって知ってるけど。
優斗のメール一つで来た事、バレバレなのに昴を言い訳にするの辞めたらどうなの。
瞳の眉間に皺が寄っちゃってるじゃないの。
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作者名：雪姫乃 | 作者ホームページ：http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=season1999
作成日時：2017年10月10日 19時
