きっかけは君やった

ナカナオリの○○○ ページ6

次の日。
楽屋に行ったらそこにはしげだけがいた。
ちょっとビックリしたけど、そうや、昨日仲直りできたやんか！何も動じなくてええんや！

｢おはよ、しげ！｣
｢んー、おはよ｣
よっしゃー！普通の感じや！
ちょっとだけホッとしながらカバンを置いた。

｢じゅんた｣
しげの声や。

｢ん？｣
｢何ニヤニヤしとんねん笑｣

え、顔に出てた？
｢……ばれた？｣
｢きっしょ〜！｣
｢うるさいわ！笑
しげとちゃんといつも通り話せて良かったな〜って安心したん！｣
｢え〜嘘や〜｣
｢嘘やないし！｣




｢ほんなら、チューしろ｣



｢……は？｣



｢なかなおりのチュー｣


｢……しげそれマジで言ってん｣

｢ん！！！！！！！｣

しまいには目なんか閉じて、何がしたいん。またおちょくってるんか？なあしげ。ちょっと度が過ぎてへんか？
誰か来てよもう。

でもこいつ、しない限りここから動かんやろうな……

皆が来てから誤解されても困るしな……

はぁ……
ため息をついたのは、呆れが半分。
心の準備が残りの半分。

今までで一番の距離で顔を近付けて目を閉じる。


ソッ…と、しげと俺の唇が重なった。


触れただけの、
音も出えへんようなキスをした。



顔を離すと、ゆっくり、まるでドラマのワンシーンみたいに目を開けたしげ。

あぁ、やっぱしげ男前やな。

その目に俺が映っているのがなんだか嘘みたいや。
とか思ってたら。




｢ん。あんがと。｣


瞳は俺を映したままで。
優しい、ものすごく優しい表情で、微笑まれた。




ドキン。

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