きっかけは君やった

人生終わった ページ3

◆赤

やってもうた。
淳太を泣かせてもうた。
世界でいちばん好きな人を。

ジュニアの頃の第一印象は、マジメ。でも一緒に過ごすにつれて、淳太の人間っぽいとこが良く見えてきてん。
意外とビビりなとこ。ディズニーが好きなとこ。スポーツが苦手なとこ。
そんな淳太を知っていくうちに、憧れはいつしか好意になった。


同じグループでデビューするのがわかった日は嬉しくて嬉しくて、俺は宇宙一の幸せもんやと思った。

淳太が笑う原因が全部俺になったらいいのにと思った。

淳太のな、びっくりした顔がめっちゃかわいいねん。うわ！驚いたぁ！って顔いっぱいで表して、俺と目が合った瞬間に照れ笑いすんねん。なんだよお前かよって言って俺の頭をはたくねん。
俺だけにしかこんな事できへんし、他のやつらにやらせる気もない。俺だけが知ってる淳太の顔。

今日もその笑顔を見るハズやったのに。



淳太、泣いてん。俺のせいで。俺の目の前で。
初めて見る顔やった。俺の知らない顔がまだあったんやなって思った。でもそれよりも、淳太が泣いて、俺の今まで積み上げてきたもんは全部、自分勝手な満足感やったんやなって思った。きっと淳太は俺のこと相当嫌いになったやろな。

あー。終わったわ。俺の人生。

淳太に嫌われる以上に辛いことってなかなか無いで。

そんぐらい、好きやねん。淳太のこと。

作戦会議→←俺のせい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す