きっかけは君やった

俺のこと好きなんか ページ20

◆黄

次の日のしげはいつもと同じやった。俺にちょっかいかけてきたり、他の奴らにイタズラしたり。

俺だけが1人ソワソワしとった。昨日のことがあってやけに気を使ってしまった。

｢じゅんたーー！！！｣

しげや。いつも通りにいつも通りに……


『好きになって欲しかってん』

『じゅんた、好き』


｢〜〜////っなんやねん！……｣

あかん。声が出ない。身体中が暑い。

｢いししししし｣

しげが後ろから抱きしめてくる。近いって。

｢っしげ、｣
｢………意識してくれてるん？｣

耳元で囁かれた。
力が抜けた。文字どおり骨抜きになってしもた。

｢淳太、顔真っ赤やでぇ笑｣
｢……うるさい……｣
｢可愛らしなぁ淳太｣
｢うるさいって……｣

しげの言葉が俺の心をギュッと縮めていく。



｢二人なにしてるん笑｣

うしろから声がした。流星や。

｢スキンシップや！笑｣
｢……りゅうせい……助けて〜｣
｢しゃーないなぁ｣

しげの方を向くと、ムスっとした顔しとった。
流星の方を見てぶすくれてる。なんでや。

｢しげ〜、言ったやろ？イタズラじゃだめやって｣
流星が切り出す。なに？なにがイタズラじゃダメなん？話の意味がわからん。

｢分かっとるわぁ！！！！｣

しげが5歳児のテンションになった。叫べばいい思っとるなこれは……

｢じゅんたあああ！！｣
｢え！？｣
｢すきすきすきすき！！！！！
すーーーーーーーーき！！！！！！！｣
｢は！？え！？なに、何なん、｣

隣の流星に助けを求めよう思っても、なんやこいつめちゃくちゃ笑とるやん。



｢ばーーーーーーーーーか！！！！ばか淳太！気付けぇ！！！！｣

しげはそう言い捨てて走ってった。




ほんまに俺のこと好きなんや。




しげ、ちょっと泣いとった。

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