検索窓
今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:40,378 hit

#50 ページ50

ジョシュアside





「や……やだなあ。ジュンフィ。僕だよ。ジス兄さんだよ。分かるでしょ?」



麻酔のせいで記憶がぼんやりとしているだけだと思っていた。

すぐに僕のことを思い出して「ジス兄さん」って呼んでくれると。

だけど、そうじゃなかった。

ジュンフィは、必死に思い出させようとする僕を怖がっていたのだ。

頭が真っ白になる。

それと同時に、僕の中の何かが崩れ落ちたような感覚がした。

こんなはずじゃなかった。

人間の姿を取り戻し、母に会いに行くはずだったのに。

こんなの……こんなのって……。

その場でうずくまり、頭を抱えて涙を流す僕に彼はそっと近づいて僕の頭を優しく撫でる。



「兄さん……」



その言葉を聞いた瞬間、僕はジュンフィを抱きしめた。

そうだ。僕の思い違いだったんだ。

ずっと僕はその言葉が聞きたかった。



「ジュンフィ……!」



ジュンフィの記憶は消えていない。

偶然だったけど僕は彼を人間に戻すことができたんだ。

喜びに身を震わせていると、ふと、視界の隅に何か(・・)があることに気づいた。

まさか……そんなはずない。

無意識に呼吸が荒くなり、心臓は今までにないくらい脈を打つ。



「そんな……嫌だ……」



視線を動かし、現実を目の当たりにして血の気が引いた。

ジュンフィの両脚がドラゴンに変化していたのだ。

この小説の続きへ→←#49



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (105 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
278人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN , セブチ , ウォヌ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

らららー(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!(*・ω・)ノ (2022年6月19日 18時) (レス) id: 26d6d8e78e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:菜々子 | 作成日時:2021年12月8日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。