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#49 ページ49

ジョシュアside





この手術は瞼の裏から脳へと器具を差し込んで行う手術だ。

僕からすれば、簡単な手術だけれど。

ドラゴンの脳は一体どうなっているのだろう。

いくら治癒力があるとはいえ、少し間違えれば死んでしまうかもしれない。

ドラゴンの構造を掴めていないまま、手術に踏み込んでもいいのだろうか。

ジュンフィを早く治してあげたい気持ちと、危険過ぎる手術を行って死なせてしまうかもしれない……ものすごく葛藤した。

そんな僕の気持ちを察したのか、彼は僕の手を握る。



『兄さんの好きなようにやって。僕は大丈夫だよ』



手話でそう伝えるジュンフィ。

もう最後にしよう。

これ以上ジュンフィを傷つけないで、僕たちはこうやってひっそりと暮らしていこう。

そう心に決め、手術に踏み切った。





ドラゴンの脳は人間より一回り小さいため、繊細な指使いが求められた。

他の部位を傷つけないように慎重にメスを入れる。

しかし……僕はそこで重大なミスをしてしまう。

なんと、器具が脳の奥まで入り込んでしまい、海馬を傷つけてしまったのだ。

海馬は記憶を司る部位である。

まずいことになった。

焦った僕はすぐに手術を中止するために器具を抜いた。

その時だった。



「嘘だ……」



ふとジュンフィの腕を見ると、人の腕が伸びていた。

それは紛れもなく彼のもの。

偶然とはいえ、治療法を見つけたのだ。



「ジュンフィ……」



少しずつ、ドラゴンは人の姿を取り戻していく。

信じられない気持ちと、嬉しい気持ち、色んな感情が混ざりあって涙として溢れ出た。

少しずつ時間をかけて確実に人間の姿になったジュンフィ。

5年をかけて治療に成功した。



「ああ……なんてことだ……」



震える手で彼の顔に触れた。

ちゃんと人間の皮膚だ。柔らかくて弾力があって……。

後遺症のせいかドラゴンの毛色だった、銀色は髪に現れている。

彼はゆっくりと目を覚まし、僕を見た。



「ジュンフィ……!」



ようやく帰れるぞ。

そう言おうとした時だった。



「だれ……?」

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らららー(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!(*・ω・)ノ (2022年6月19日 18時) (レス) id: 26d6d8e78e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜々子 | 作成日時:2021年12月8日 13時

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