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『そう。無事だったんだな。良かった』
ジュンフィのことをウォヌくんに報告すると、彼は安心したような表情を見せた。
そして、彼の大怪我が無かったかのように消えていた事を話すと、ウォヌくんは顔色を変えたのだ。
『同じだ』
「同じ?」
『俺も傷の治りが早いんだ。この体になってから』
『待ってて』と彼は近くにあった鋭利な石を掴むと、なんと反対の腕に深く傷をつけた。
当然、傷口からは血が吹き出し、地面にしたたる。
「ウォヌくん!? 何やってるの!?」
慌てて止血のために布を当てようとしたが、その前に出血が止まった。
恐る恐る布で血を拭うと、毛に血の跡が残ってしまったものの彼の言った通り傷は綺麗に無くなっていたのだ。
「まさか……そんな……」
『ドラゴンには自己回復能力があるらしい。岩も簡単に砕けるほどの強い力に何百キロと移動出来るくらいの体力。そして不眠。……アイツも共通しているんだ』
「ジュンフィが? 確かに身体能力は長けてるよ。でも、わたしの前では寝てたはず……」
『多分寝たフリだ。人間、深い睡眠に入る時は呼吸で分かる』
「うーん……。つまり、ウォヌくんはこう言いたいんだよね?」
お互い薄々と感じていたことだ。
素性不明のジュンフィ。
そして、ドラゴンになったウォヌくんと彼には多くの共通点がある。
確信は持てない。でも。
彼はわたしたちの希望かもしれない。
「……ジュンフィはドラゴンから人間に戻れたってこと」
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らららー(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!(*・ω・)ノ (2022年6月19日 18時) (レス) id: 26d6d8e78e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜々子 | 作成日時:2021年12月8日 13時