ある日、ドラゴンになったウォヌくんと。 (ページ40)

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ジュンフィの治療が済むまで、わたしはこの待合室で待機することにした。

今は……彼の意識を戻ることを願うしかない。

すぐにスンチョルさんは戻ってきた。

血まみれだったので、ジョシュアさんからトレーナーとシャワーを借りたそうだ。

「……ひとつ、訊いてもいいか」

彼はわたしの隣に座りながら、こう尋ねる。

「人間がドラゴンになる病があるのは、本当なのか？」

「……はい。ウォヌくんが……さっき、ここまで運んでくれたドラゴンがそうです。彼は国の王になるお方です」

「なるほど。懐中時計にいた彼か」

「懐中時計に？」

「ああ。その中に写真が入っていたんだ。多分ウォヌとその父が映っている」

ポケットから懐中時計を取り出し、蓋を開いてみる。

確かに、彼の言う通りだった。

国王様と少し幼さを残したウォヌくん、2人だけの写真。

そういえば、お母様……女王様は彼を生んですぐに亡くなった、と新聞で読んだことがある。

「お前の国の王の名は、ウォンジュだろ。少し前に俺の国へ来ていて、俺は護衛を担当した。その時、俺と息子の年が近いからって息子のことを話してくれたんだ。……今は事情があって外に出られないし、顔も見れない。だけどずっと愛している。って」

「そうだったんですか。国王様が……そんなことをおっしゃられてたんですね」

「その時、息子の名前……ウォヌだということも知った。だからお前の口からウォヌの名前が出たときは本当に驚いた。そして、何故息子が外に出られないのか……何もかも悟った。国王の息子がドラゴンになる病を抱え、それを助けるために2人が一緒にいたんだってね」