ある日、ドラゴンになったウォヌくんと。 (ページ36)

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「危ない！」とジュンフィが叫び、わたしを突き飛ばした。

その瞬間、目の前に真っ赤な液体が飛び散る。

それが……血だと理解した時、ジュンフィが地面に倒れた。

彼の腰に、太い杭のようなものが突き刺さっている。

この杭はどこかで見たことがある。

「ドラゴン返し……！」

街で見たのより、かなり小ぶりだったけど、何故こんなものが飛んできたのだろう。

これが飛んでくるのに気づいて……ジュンフィは……。

「ジュンフィ……！しっかりして！」

慌てて彼の上半身を抱える。

「うう……A、逃げる……」

かなりの出血と痛みで、ジュンフィは苦痛の表情を浮かべていた。

負傷を負っているにも関わらず、わたしの心配をしてくれていたのだ。

「いたぞ！ここです！」

多数の足音が聞こえたかと思えば、明るい光に照らされるわたしたち。

ゆっくりとその方へ顔を向けると、街で巡回していた警官たちが3人いた。

かなりまずい。

ウォヌくんが見つかってしまった。

「やはりここにいたか」

彼らの後ろから、現れたのはボウガンを持ったスンチョルさん。

まさか、つけられてたの？

「悪いな。仕事柄、怪しいと思ったらとことん調べる性でな」

「スンチョルさん……今はジュンフィを助けてください！いくらでも話しますので……」

「いや、この場ですぐに答えてもらうぞ。……お前ら、何でドラゴンと一緒にいるんだ」

「それは……彼を人間に戻すためです！」

『君なら、ウォヌを助けてやれるか？』

国王様のお言葉が脳裏に浮かんだ。

あの時の国王様の瞳……それは、わたしが必ずウォヌくんを人間に戻してくれると信じている力強い眼差しだった。

わたしの言葉を聞いたスンチョルさんは、驚いたような目をした。