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ウォヌside
ひとりになり、ようやく体を休めることが出来る。
この無駄に長く、重い首を地面に下ろした。
ドラゴンになった当初は、体の変化を受け入れられなくてものすごくストレスになっていたし、少し体を痛めつけてしまったこともあった。
だが、今はもう慣れた。
……こんな姿になって、ただただ死を待っていただけだった。
お父様や国の遣い、ミンギュに迷惑や心配をかけ、穀潰しのような生活を送っていたそんな時。
Aが現れた。
今もまあ……この体じゃ日中は動けないから、昼間は俺のために働いてくれており、城にいた時と同じような生活かもしれないがな。
そして、ジュンフィ。
アイツは不思議だ。
過去の記憶がないと言いつつ、狩りや簡単な調理、人並み以上に早い脚力、何より俺の言葉を理解できる。
なんなんだろう。アイツは。
何者なんだろう。
「……ぞ!」
色々考えていると、遠くの方から声が聞こえる。
Aたちが帰ってきたのかと思ったけど、聞き覚えのない男の声だ。
俺は首を上げ、音を立てないように洞窟の奧の方へ後ずさりする。ランタンも消した。
距離的にはかなり離れているはずだけど……聴力が飛躍的に上がっているんだ。
こっちに近づいているのか、今度はハッキリとした声が聞こえた。
「本当にドラゴンがいるのか?」
ドラゴン……? アイツら、ハッキリとドラゴンって言ったぞ。
すぐに逃げなくてはいけなかったが、好奇心でその先の会話を聞きたくなった。
「ああ。スンチョルさんが言ってるから間違いねーよ。ほら、
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らららー(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!(*・ω・)ノ (2022年6月19日 18時) (レス) id: 26d6d8e78e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜々子 | 作成日時:2021年12月8日 13時