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何か重い物を打ち付けたような衝撃音だった。
衝撃により、扉の装飾がいくつか廊下に落ちていく。
怯んで体が動かなかった。
何か気に障ったことでもあったのだろうか……?
「大丈夫ですか!?」
ミンギュさんが慌てて駆けつけてくれる。
驚きのあまり、わたしはしばらく放心状態になった。
ようやく正気を取り戻し、「大丈夫です」と絞るような声を出した。
「たまにあることなんです。どうかお気になさらず」
たまにあること……? 中で暴れているのだろうか。
だから部屋から出てこない……来れないのだろうか。
ただ拳を扉に叩きつけたような音ではなく、確実に何か……重い物を放り投げてきた。
もしその衝撃で扉が開き、わたしに衝突していたら……。
そう考えると、血の気が引いていく。
「お部屋にご案内しますねっ。そこで少し休まれてください」
ミンギュさんはわたしと肩を組んで体を支えてくれ、片方の手で荷物を持ってくれると、今度こそ部屋へと案内してくれた。
彼は王子様のことを気難しい人ではないと言ったけど、本当だろうか?
あれは明らかに殺意を持って何かを投げつけてきたのではないだろうか……。
とにかく……ミンギュさんに王子様のことを伺いながら、怒らせないようにしないと。
今度は、命がないかもしれない……。
会いたい。
Aちゃん……。
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らららー(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!(*・ω・)ノ (2022年6月19日 18時) (レス) id: 26d6d8e78e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜々子 | 作成日時:2021年12月8日 13時