ある日、ドラゴンになったウォヌくんと。 (ページ25)

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#25 ページ25

ミンギュside

正体不明の膨らみを確かめるため、おそるおそる布団を捲りました。

そして現れた光景に、言葉を失ったのです。

｢そんな……嘘……だ……｣

ウォヌ様の白く、細かったはずの右腕が2倍に膨らみ、獣のような純白の毛並みに変化していました。

この事態を早急に国王様へご報告すると。

「……この国には、口伝のみで広がる話があるのだ」

国王様は人間がドラゴンになってしまう、という病について話してくださいました。

原因不明で人間がドラゴンに変化し、ものの数年で命を落としてしまうという恐ろしい病。

「完治した者はいないと言われている。まさか、我が息子にそれに罹ってしまうとは……」

「国王様……」

それから、不幸にも国王様のお身体にも病が見つかり、床に伏せられることが多くなりました。

元々お身体は強い方では無かった国王様。

そしてたったひとりの跡継ぎ……王子様であるウォヌ様も病にかかられた。

城内では急にウォヌ様のお姿が見られない、とちょっとした騒ぎになっていたのです。

この事態は僕と、国王様しか知らなかったことでした。

国王様も自室に籠られることが多くなったので、国の偉い人々は「王子のお姿が見られないというのはいかがなものか」と国王様を非難したり、我が子を王子にさせようと、擦り寄ってくる者もいたのです。

城内が少しの混乱に見舞われている中、なんとか彼女の所在地を突き止めました。

そして、国王様は「彼女に託すしかない」と決断されたのです。

「……彼女は我々の希望だ」