ある日、ドラゴンになったウォヌくんと。 (ページ19)

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#19 ページ19

「確かに美味しい……本当にありがとうございます」

彼に素直に従い、食事をする。

イノシシ肉を焼いただけなのに、すごく美味しい。

これでウォヌくんも満足してくれたかな……？

「そういえば名前、なんですか？」

「ジュンフィだったと思う！」

「だったと思う？」

「記憶、ない。何も分かんない｣

ジュンフィと名乗った彼は、笑っていたけど、少し悲しそうな目でそう言う。

彼の話す言葉が気になったのは、その後遺症なのかもしれない。

「でも、君たちと会えた。嬉し！」

元気な声と笑顔でそう言い切る彼。

「わたしはA。彼は、ウォヌ」

「よろしく！僕、ジュンフィ！」

こうして、わたしたちは謎の美少年、ジュンフィと一緒に行動する事になった。

ご飯を済ませると、地図を広げて進む方角を話し合う。

「2人はなんで旅する？」

ジュンフィがそう尋ねる。

事情を話すと、彼は「なるほど〜」とすんなり受け入れた。

「僕もお手伝い！ウォヌは今もカッコいいけど、人間に戻ったらもっとカッコいい。でしょ？ A」

「えっ！？も、もちろん……！｣

急に話を振られたからビックリしたし、質問にも答えるのが少し恥ずかしかった。

今はウォヌくんの顔を見るのが気まずい……。

「そのうち、僕の記憶も戻る。僕も大切な誰か、いるかも」