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#17 ページ17

財布は盗られるし、謎の銀髪の美少年には匂いを嗅がれるし……奇妙な1日だ。

しばらくわたしの匂いを嗅いだ美少年は、どこかへと走り出した。

しかも、ものすごく早かった。

一体なんだったんだろう。

困惑しつつも、洞窟へと戻ろうと歩み出そうとした時。



「これ」



先程の美少年が目の前に現れ、奪われたはずの財布を差し出したのだ。

驚きのあまり声が出ずにいると。



「足りない?」



彼は小首を傾げる。

違う、と首を横に降った。




「ごめんなさい。ビックリしちゃって……もしかして、取り返してくれたんですか?」

「うん。泥棒はダメらしい」

「ありがとうございます!!」



少し言い方が気になったけど、ものすごく助かった。

彼から財布を受け取る。

中身を確認すると、少しも減っていなかった。



「……そうだ。お礼したいんですけど、欲しいものとかありますか?」

「もひとりと、会いたい。もひとり、匂う!」



彼はかなり鼻が利くらしい。

もしかしたら、ウォヌくんの匂いがわたしの体についていたのかもしれない。

でも……会わせる訳にはいかない。



「わたしは……ひとりで行動してるんです。誰も一緒にいません」

「匂う。僕、この匂い知ってる……!」



ドラゴンの匂いを知っているってこと……!?

でもどうなんだろう。

犬とか獣の匂いとかかもしれないし。(ウォヌくんの匂いは無臭だと思うけど)



「でも分かんない。でも気になる! 僕、知りたい」



見た目はわたしと同い年くらいの少年だけど、口調はどこか幼さを残している。

彼はどうしてもわたしと一緒に行くと言って聞かず、困りはててしまう。

ふと、気がつけば日が落ちてきそうだった。

ウォヌくんの元に帰らなきゃ。

……こうなったら。



「あ! なんかあるー!」

「えっ!?」



彼の背後を指し、適当なことを叫んだ。

見事に彼は引っかかり、自身を振り返る。

その隙に、わたしは今までにないくらいの馬力で洞窟の方へ走った。

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らららー(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!(*・ω・)ノ (2022年6月19日 18時) (レス) id: 26d6d8e78e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜々子 | 作成日時:2021年12月8日 13時

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