沈厶少女 (ページ6) - 小説/夢小説

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沈厶　Ⅱ ページ6

月島side

結局のところ彼女は過去の深く深過ぎる傷と初恋を抉らせて死んだのだ。
それを彼女自身が気付いていたかは分からない

彼女はそれらを自分で隠した、しまいこんだ
胸の奥の奥底に

それを知っているのは唯一自分だけだ
後は彼女が自分で暗闇の中へ持って行った

だから誰も救えなかったし、僕がそれを知っているからと言って僕が救うのは。
それを彼女が望んでいるとは思えなかった、
唯一。とは言っても全てを知っている訳ではなかったから

痛すぎて血だらけの傷に打ちのめされて
溢れる恋心に溺れて

ただただ彼女は深く深く底に深く沈んでいった
もう光の絶対に届かぬ、手も届かぬ、届かせぬような絶望の場所へと、自らが望んで。

それだけのことだった。

彼女は死んでしまった。至らしめたものは過去の深く深過ぎる傷と恋という名の絶望だった。だから、もう誰にも何もわからない。分かることはない。何に絶望したのか。何故死を選んだのか。分からない。
だって彼女は何も残さず死んだから。

　
　
　
僕にも。誰にも語られることの無かった秘密、彼女の胸の内は本人と同じように深く深く沈んで行ってしまったから

　

そんな彼女と僕が再会したのはつい三か月前のことだった。