あの子の隣【SVT】

_Seungkwan (with DK & Vernon) ページ22

オープンスクールなんて適当に話聞いて適当に校内回って〜で終わるものだよな、と考えつつ、来校した中学生にパンフなりを配り終えた私は新入生の説明会が終わるまで自販機でジュースを買って飲んだり、働いている蟻を眺めたりして時間を有意義に過ごしていた。

流石に泥団子を作ろうとしたところで、力仕事という名目で先生にパシられ終わったソクミナに止められてしまったので、そこからはソクミナにもジュースを奢ってあげ、二人で流れゆく雲を見ながら過ごした。
説明会を終えた先生からは「花のDKとJKが老後の夫婦みたいなことするな」と言われてしまった。


大体の中学生は親と来ており、1年の教室を少し覗いたら帰る人達もいれば、気になる部活の場所を見学しに行く子達もいた。
その中で一人だけで心許なさそうな男の子がいるのが気になり、声をかけることにした。ソクミナが。

「何か困ってる？僕で良ければ聞くよ」

「あ、えっと…大丈夫、です。友達と一緒に来る予定だったんですけど、寝坊したらしくて。
だから待ってるんですけど…」

あくまでも自分の受験する高校だから迂闊にケータイで連絡できなかったのか、彼が着いているのかが分からず、回るにも回らないし、帰るにも帰れない状態だったらしい。

『じゃあ私玄関見てくるからソクミナと君はここにいて。
何くんの友達の何くんか教えてもらっていい？』

「僕はスングァンです！それで、友達の名前はハンソルって言います！」

『ハンソル？…分かった。』


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「もう！ハンソラ！！一緒に行くから早寝してねって昨日から言ってたのに！」

「昨日1時になってから急に映画見たくなったから」

「我慢してよ！！」

迎えに行ったのはなんと以前一緒にチキンを食べたハンソルであり驚いた。世間は狭かった。また、スングァンくんがハンソルと合流してから彼女のようになってしまった。これが彼氏のいる彼女ってわけ。

すごい怒られてるのにまるで反省を見せない彼はチキンのことを込みで考えたらかなりのゴーイングマイウェイ。しかし、悪気がないことが分かるので憎めない。
オープンスクールのメインであるはずの説明会を聞かずにただスングァンくんと会うためだけに社長出勤をするハンソルは将来大物になるだろう。

人生の先輩てしてここで一つ、アドバイスをしてあげよう。

『ハンソルちゃんと謝って反省する事が大事だよ』

「それヌナが言っても説得力ないです…」

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