あの子の隣【SVT】

・ ページ5

可哀想なジフン。彼は一問しかミスをしていないというのに私が化学で焼肉を錬成してしまったばかりに教え合い(一方的)をしなければいけなくなるだなんて。

「お前さ、すぐ理解できるのに寝てたら勿体ねえだろ。」

『お前じゃないよ、Aだよ』

「俺もジフンでいい」

『ねえ、焼肉にご飯つける派？』

「夢に囚われすぎだって。お願いだからここの問題解いてくれよ。」

可哀想なジフン。きっと私が満点だったらお互い残りの授業時間は自由に過ごせたというのに。そして私はご飯をつけるべきだったのかに囚われていて前に進めそうにもない。

先程から前の方の席の男子が私たちを見て驚愕しているが、もしかして普段お勉強ができるジフンがまだ教え合いをしているということに驚いているのだろうか。可哀想なジフンである。誤解だよ。私が焼肉を錬成してしまったばかりに…

『ここは合ってる？』

「合ってる。やろうとすれば全問正解じゃん…
こんだけできれば分かんないとことか質問とかねえだろ」

『ねえ、焼肉にご飯つける？』

「…つける。つか、ご飯を食べるために肉を食う」

『え、ご飯が主役？変わってるね。
　え、これが花丸？絵が個性的だね。イッッッタ』

嗚呼、可哀想なジフン。おなごの頭をチョップする男に前に座っていた男子も更なる驚愕の表情を浮かべているよ。これはいただけない。

焼肉ロスがあったものの、比較的早くプリント処理を終えた私たちはこの後はご飯のことについて熱く議論を重ね、これがきっかけで友情を育み、放課後は美味い定食屋によく行く仲になる。

最近では化学で友情も作れる時代となったのだ。

ちなみに驚愕しまくり男子の名をクォン・スニョンという。ジフンから始まりスニョンに繋がり、スニョンからジュンへ、ジュンからウォヌへと私の友情は化学変化を迎えるがこの話はまたいつかするとする。

_Hoshi (with Woozi / feat.焼肉)→←_Woozi

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す