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_+第6話+_ ページ7

Aside


「でも、髪を捧げ続ければ、命を奪われない可能性が高いわ。」




暗い雰囲気の部屋に今まで一言も話さなかった母の声が響いた。





驚く私と兄。





話の行方を知っているのか、黙って見守る父。






「そこで、A。貴方にやってほしいことがあるの。」



「わ、私…?」



「そうよ。私達が時間を稼いでいる間、助けを求めに行ってほしいの。」




私と兄は驚きを隠せない。





助けを求めに行くということは髪のことを明かすということと一緒だ。





たとえ今が緊急事態だとしても、髪のことがこれ以上広まるのは避けたい。





しかも、もし助けを求めに行った国にも髪を欲しいと言われたら、今よりも状況が苦しくなってしまう。





「私達二人で話し合ったけれど、これしか方法はないわ。相手には、『Aは外出していて事情を知らない。帰ってくるのは五年後になる。』とでも言っておくわ。」



「五年…?なぜそんなに長く?兵を集めてもらうのは3日ほどで済むはずでは?」



「すぐに助けに来てくれる方がおかしいわ。きっと、長い間頼み続けなければいけないはず。」






全ての計画を告げられた今、不安が頭を駆け巡る。




もし、助けを求めに行って髪が欲しいと言われたら?




もし、相手が『飽きた』と言って皆の命を奪おうとしたら?




嫌なことばかりが思い浮かんでしまう。




言葉に詰まっていると、兄がしっかりした声で言う。




「では、私はどうすれば良いのですか?」



「この事態を知れば国民は混乱に陥るだろう。その時、頼りになる者は多い方がいい。だから、残ってくれ。」



「はい、わかりました。」




兄の気持ちは、もう決まっているようで、瞳にはしっかりと光があった。




「A。もし貴方が嫌なら行かなくて良いわ。だから_」



「…行きます!」



「…ありがとう、A。行く場所は、クラリネス王国よ。」



「それと、これを持って行きなさい。」





父は鞘に金の装飾がある細身の剣を私に差し出した。




「剣…これって…!」



「そうだ。この国に代々受け継がれてきたものだ。これが、きっとお前を守ってくれるはずだ。」



「ありがとうございます!」




私が腰に鞘を納めると共に、外から声が聞こえた。




「A様!馬の用意が出来ました!こちらへ!」



「では、行って参ります!」





私は皆と別れ、ある程度の荷物を持ってクラリネスに向かった。

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+紺+(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます*_ _)更新は相変わらず亀ですが、最後までお付き合いしていただけると有難いです! (2019年6月15日 0時) (レス) id: 09acaf470e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白いです〜!無理しない程度に更新頑張ってください(*´∀`)♪続編楽しみにしてます! (2019年6月12日 19時) (レス) id: 9aedb32105 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桐ノ葉 | 作成日時:2015年9月21日 22時

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