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_+第38話+_ ページ39

オビside


執務室に向かいながら、ずっと思っていたことを口にする。




「……今日ミツヒデの旦那っていなかった気がするんですけどねえ。」



「……そうだったか?」





今朝主が言ったんでしょーが、と言うと主は苦い顔をする。





この様子だと、わざとA嬢と別れるための口実を作ったのだろう。






俺にだけ話すことがあったのか…それとも…








なんて考えていると、気まずそうに主が口を開いた。





「オビ、お前……








Aどのをあんな呼び方してるのか…」





「?……お嬢さんとか木々嬢みたいなもんですけどね。」






俺の言葉に小さく呻く主。






「主こそ、本人には呼び捨てなのに今は"Aどの"なんですかい?」





そう言うとみるみる顔色が悪くなる。





「いい、忘れろ。」




「はは、主が振ったんですよ。」






黙り込んでしまった主の後ろをついて歩いていると、主はいきなりピタリと動きを止めた。





「あー……オビ。」




「さっきからどうしたんですか、主。」




振り向いて深刻な顔をする主に、少し違和感を感じるも、いつも通りに応える。








「もし、Aどのに……協力して欲しいと言われたら、俺に最初に教えてくれ。」






「…は。」






固まる俺に、それだけだ、というと主はちょうど着いた執務室に入っていった。






協力して欲しい……ねえ。





その言葉に疑問を感じつつも、俺も執務室に入った。





















Aside


部屋について、ベッドに腰を下ろす。




「あっ、そうだ。鏡、鏡…」




手鏡で見ると、翠の石がハマった綺麗な耳飾りがつけられていた。






「わぁ………綺麗。」




つい感嘆の声を漏らしてしまう。






かなりセンスのいいそれに、気分が上がる。




「…誘えなかったな。」




ゼン王子に話を遮られたとき、私はオビさんに料理を振る舞わせてほしい、というつもりだった。






明日、会えたら言いたい。





けれど、食材も腐ってしまうから、明日断られたら諦めて、一人で食べることにしよう。









「なんか……緊張する……」









ただ、食事に誘うだけなはずなのに。

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+紺+(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます*_ _)更新は相変わらず亀ですが、最後までお付き合いしていただけると有難いです! (2019年6月15日 0時) (レス) id: 09acaf470e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白いです〜!無理しない程度に更新頑張ってください(*´∀`)♪続編楽しみにしてます! (2019年6月12日 19時) (レス) id: 9aedb32105 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桐ノ葉 | 作成日時:2015年9月21日 22時

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