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_+第37話+_ ページ38

Aside


「おーまーえーなー……」





…なんだか、後ろから物凄いオーラが出ているような。







それにしても、あの方は今、『オビ』と呼んだ気がする。






この辺にいるオビなんて、私の横にいるこの人しかいない…と思うのだけれど。






「あれっ?主!何かあったんですかい?」




「あれほど寄り道しないで帰ってこいって言っただろ!」



「やだなぁ、もう帰るところでしたよ。主こそ、わざわざ迎えに来てくれたんですかい?」




「阿呆、もう夕刻だ。まったく…お前の放浪癖は治らんのか。」






次々と繰り広げられる会話に追いつけず、横でただただ呆けてしまう。






一体、どうなっているのだろう。





「…ん?…Aか!髪を下ろしているから気が付かなかった。」





こっちを見て驚くゼン王子に、私も慌てて頭を下げる。





「せっかくいいとこだったのに、邪魔しないでくださいよー主。」




「「!?」」





二人して固まる私達を見て、オビさんは愉快そうに笑っている。





それを見たゼン王子は頭に手を当ててため息をつく。






ここで私は、さっきからずっと頭に渦巻いていた疑問を二人にぶつけた。





「あの…お二人はどういう……」




「あぁ、そうか。ちょっと色々あってな。こいつは最近俺のそばに居させているんだ。」




それは…つまり…









「お、王子の側近…!?」







開いた口が塞がらないとはこういうことだろう。






職業不詳だとは思っていたけれど、まさかそんな仕事だったとは。





「とうとうばれちゃったねえ。」




オビさんは呑気にそんなことを言っている。






「お前…わざと隠してたのか。」



「その方が面白いかと思って。」




呆れ顔をするゼン王子と、私の心情も同じだ。






「殿下、オビどのは今日私が付き合わせてしまっただけなのです。ですから…」





恐る恐る言うと、彼は思いのほか怒っているわけでもなさそうだった。




「ん?そうだったのか。それなら構わないさ。





…あー、オビ。そろそろ戻らんとミツヒデがうるさいからな。」




「へえ、そりゃ大変だ。…んじゃまたね、A嬢。」





ひらひらと手を振られ、私も控えめに振り返す。






信じられないような組み合わせの二人は、そのまま去っていった。








「言葉遣いとか…もっと気をつけなきゃいけないかな…」





この数分の出来事が、私にとってはちょっとした事件だった。

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+紺+(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます*_ _)更新は相変わらず亀ですが、最後までお付き合いしていただけると有難いです! (2019年6月15日 0時) (レス) id: 09acaf470e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白いです〜!無理しない程度に更新頑張ってください(*´∀`)♪続編楽しみにしてます! (2019年6月12日 19時) (レス) id: 9aedb32105 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桐ノ葉 | 作成日時:2015年9月21日 22時

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