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_+第28話+_ ページ29

オビside


中は特に変わったところはない普通の家だった。






女は、俺達を席に座らせて、話をした。




「つい最近まで、盗賊がここで暴れ回っていました。私とこの子は、なんとか隠れてやり過ごしましたが、他の人は……」




彼女は辛そうに目を伏せる。







殺された、ということだろうか。






「今夜は、ここに泊まっていってくださいませんか。私やこの子も、お強い方がいてくれれば心強いです。」





女の言葉を聞いた主はずっと黙っていたが、やがてゆっくり口を開いた。





「1つ、聞きたいことがある。









……あなたがたの本当の家はどこだ?」




主の言葉に、その場にいる全員が、訳が分からない、といった顔をする。




「何言ってるんだ、ゼン。ここに住んでるんじゃないか?」





旦那が戸惑ったように言うと、主は軽く笑う。





「では、質問を変えようか。……この家の本当の主は、どうしたんだ?」




目の前にいる女は一瞬顔を顰めたが、すぐ苦笑した。



「…何を、仰っているのでしょう?この家は正真正銘私の家ですが…」




状況が分からず、旦那、木々嬢、俺の3人は黙って見ているしかない。




「貴方は先程、隠れてやりすごした、と言ったな。





………煙突から煙が出たままでか?」



「!!」




主の言葉に、驚きを隠せない俺達3人。




一方で、女と子供は表情1つ変えない。




「うっかりしていただけですわ。……それだけの理由で疑われては困ります。」



「いや?それだけじゃない。





前の家主はよっぽど綺麗好きだったようだ。しかし、貴方は違うな。」




何を言いたいんだ、とでも言いたげな顔をする女。





「この家には靴を脱ぐ場所がある。わざわざ作ったんだろうな。だが今貴方はそのまま家に入っている。」



「ゼン、それって……」



ミツヒデの旦那が信じられないというように主を見つめている。



木々嬢と俺も同様だ。








「あぁ。









……こいつらは(あっち)側だ。」

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+紺+(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます*_ _)更新は相変わらず亀ですが、最後までお付き合いしていただけると有難いです! (2019年6月15日 0時) (レス) id: 09acaf470e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白いです〜!無理しない程度に更新頑張ってください(*´∀`)♪続編楽しみにしてます! (2019年6月12日 19時) (レス) id: 9aedb32105 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桐ノ葉 | 作成日時:2015年9月21日 22時

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