_+第24話+_ ページ25
Aside
頭に触れた手が、あまりにも優しくて。
じわりと、触れたところが暖かくなる気がした。
触れていた手を離すと、オビさんはゆっくりと立ち上がった。
｢体冷えるから、そろそろ戻らないかい？｣
｢そうしましょう！タオル、洗って返しますね。｣
｢はは、いいのに、気にしなくて。｣
部屋まで持つよ、なんて手を伸ばす彼にすぐ近くだからと断って別れた。
気づいたら、もう昨日のことなんて忘れていた。
掌に突然痛みが走った。
手をついた所にちょうど釘が出ていたようで、思ったよりも深く切ってしまっていた。
私は考え事をしながら行動するとダメなようだ。
｢医務室…とか、あるのかな。｣
こんな大きなところだからどうせあるだろうと、血が滴らないように雑巾で押さえながら歩く。
せっかくオビさんに元気づけてもらったのに、その日の夜に、また私は気分が沈んでしまった。
────────────────
｢申し訳ありませんが、ここを通すなと言われております。｣
夜になり、イザナ殿下の部屋に行こうとするといつもは居ないはずの衛兵に止められた。
｢話をするだけなんです、お願いします！通してください！｣
必死に訴えても、彼らは私を通してくれなかった。
昼間に話しに行こうにも、仕事に影響するだろうし、そもそもあの方は昼はどこに行ってもいないのだ。
私は、部屋に引き返すしかなかった。
─────────────────
ここまでなのかもしれない。
滲んできた涙を振り払うように頭を振る。
泣いちゃ、ダメだ。皆の方が苦しんでるのに…！
｢大丈夫…？………ですか？｣
突然聞こえた声に、ハッとして振り返ると12、3歳くらいの男の子が心配そうにこっちを見つめていた。
なんでここに、子供が…
何も言えずに立っていると、再びその子が口を開いた。
｢……手、怪我してる。こっち来て。｣
その子に左手を引かれるまま、私は何も言えずについていった。
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+紺+(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます*_ _)更新は相変わらず亀ですが、最後までお付き合いしていただけると有難いです！ (2019年6月15日 0時) (
レス) id: 09acaf470e (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - とても面白いです〜！無理しない程度に更新頑張ってください(*´∀`)♪続編楽しみにしてます！ (2019年6月12日 19時) (レス) id: 9aedb32105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桐ノ葉 | 作成日時：2015年9月21日 22時
