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_+第12話+_ ページ13

Aside


いきなり深刻な顔をして黙り込んでしまった私を見て、不思議に思ったのか顔を覗き込んできたオビさん。




「?、どうかした?」




私ははっとして下げていた視線を上げた。





すると、案の定不思議そうな顔をしているオビさんと目が合う。




「あ、ごめんなさい。ぼーっとしちゃって……」




そう言ってからあっと思い出す。




「三角巾、結局下に落としちゃった!」





慌てて窓から下を見ると、木の枝に引っかかっているのがみてとれた。





何故あんなに必死になって掴んでいたのか今ではよく分からない。





はは…と思わず苦笑してしまった。




「あの白いやつ?」




いつの間にか横に来て下を見ていたオビさんが私に問う。




「はい、そうです…」




「じゃあ、とってきてあげるよ。」



「いえ、悪いですよ。あとで、自分で────え?」








応えてから、ふと、隣を見たら。









タンッ





軽やかな音と共に窓枠を飛び越えた彼。





微かに吹いた風からは、青葉の香りがした。









「──はい、どーぞ。」




あの後、流れるような動きであっという間に戻ってきた彼の手には、私が落とした白い布がちゃんと掴まれていた。




「あ、ありがとうございます……オビさんって、すごく身軽ですね。」




まるで本当の猫みたい、と頭の中で呟く。





「んー、まあね。…仕事柄。」




その答えに、思わず彼に尋ねる。





「…オビさんって、どんな仕事しているんですか…?」



「はは、内緒。」




ま、そのうちわかるよ、と言って彼は満足そうに笑った。





「んじゃ、俺はそろそろ退場しますか。長居しすぎても邪魔だろうしね。」




んー、と伸びをすると、1つ大きなあくびをするオビさん。




「あ、ごめんなさい。時間取らせちゃって……」



「いえいえ。じゃ、またね、A嬢。」




そう言って手を振ると、近くの階段を降りていく。





私も笑って手を振ってから、ん?と動きを止める。







「……“嬢”?」






ちょっと変わった呼び方に、思わず苦笑してしまった。

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+紺+(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます*_ _)更新は相変わらず亀ですが、最後までお付き合いしていただけると有難いです! (2019年6月15日 0時) (レス) id: 09acaf470e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白いです〜!無理しない程度に更新頑張ってください(*´∀`)♪続編楽しみにしてます! (2019年6月12日 19時) (レス) id: 9aedb32105 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桐ノ葉 | 作成日時:2015年9月21日 22時

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