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_+第10話+_ ページ11

Aside


__早朝




目を覚ましたAは部屋に1通の手紙が届いていることに気付いた。





『早速で悪いが、城の清掃をして頂きたい』





たった1文の手紙には哀れみのようなものが感じられた。





ぐしゃっと握りしめた手紙を机に放って身支度を整えた。









部屋から出ると、扉の横に一式の道具が置いてあった。




「城全体は時間かかるなー…」





はあ…と自然にため息がこぼれる。





私はとりあえず部屋の数が少ない1番上の階からやることに決めた。









最初にこの城に来た時は、埃なんて一つも落ちてないように感じたけれど、それは少ししか城内を歩いてないからのようだった。





1階はこまめに掃除してあるのか、逆に1番上の階は落ち葉や埃が隅にたまっていた。





私は道具と一緒に置いてあった三角巾を身につけて掃除を始めた。









時間が経つのはあっという間で、黙々と掃除をしているともう日が1番上まで上がっていた。





どうやら私はやり始めると没頭してしまうタイプらしい。





私は廊下に置いてある長椅子に腰掛けた。





改めて辺りを見回すと、かなりきれいになったと実感する。





昔、自ら掃除をすると言って逆に部屋を汚して怒られていた頃とは違うなーと苦笑する。





そう考えてから、ふと、別の考えが頭をよぎった。





私は、こんなことをしていて良いのか。





こうして私が何事もなく過ごしている間にも、父や母、兄、国民は今も危ない状態なのかもしれない。





いや、もしかしたらもう……





「っ……」





私は嫌な考えを振り払うように首を勢いよく振って立ち上がった。







すると、その反動で頭から離れた三角巾。





そして、そのまま流れるように開けてあった窓に落ちていく。





そう、私は掃除中、換気のために窓をすべて開けていたのだ。






パシッ





間一髪、窓から身を乗り出して三角巾を掴めた。





「はー…」





思わず口からため息がこぼれる。





と、その時、








ズルッ





「へ…?」





見事に足が滑ってバランスが崩れた私。





上半身がほぼ窓の外に出ていた状態だったのでぐらっと体が前に傾く。





パニック状態になった頭では窓枠に掴まろうと考える余裕もなく、今から感じるだろう落下感への恐怖で声も出ない。





硬く目をつぶった瞬間、








「__っと…あっぶな…」





声が聞こえると同時に、ぐいっと腰を引かれた。

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+紺+(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます*_ _)更新は相変わらず亀ですが、最後までお付き合いしていただけると有難いです! (2019年6月15日 0時) (レス) id: 09acaf470e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白いです〜!無理しない程度に更新頑張ってください(*´∀`)♪続編楽しみにしてます! (2019年6月12日 19時) (レス) id: 9aedb32105 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桐ノ葉 | 作成日時:2015年9月21日 22時

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