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なのにある日、その屋上に一人の女の子がやってきた。
俺の屋上での居場所は塔屋で、ギーって錆び付いた音がして。あ、誰か来たってそっと覗き込んだ。
すると見覚えのある女の子が、お弁当を抱えてキョロキョロしてる。
あの子って確か隣のクラスの女の子だ。
名前は確か……みどりだったような。
時々俺が行く図書室で本を読んでいたり勉強してるんだけど、通り過ぎる時に見るノートの名前を書くとこになんでか苗字は書いてなくて、だから記憶に残ってた。
俺に告白してくるタイプの子には居ないみどりちゃんのような子なら話してみても大丈夫かも。
なんかそんな気がした俺は、お弁当を広げた彼女に真上から声を掛けていた。
「美味しそう」
「え?」
声の出処を探しキョロキョロしてるから面白くてちょっと見てた後に「こっちだよ」と、また声をかけた。
見上げた彼女は俺の金色の髪が太陽の日に反射して眩しかったみたいで目を細めてた。
最初はね、ただ何となく話してて楽だなって。
他の女の子みたいにズカズカくるわけでもなく、どちらかといえば俺より大人しい。
色々話を聞いていれば、義兄さんに片想い中だってのが分かって。
相談に乗ってうちに………まあ、よくあるやつだね。
彼女のことが気になるようになった。
初めて自ら女の子に関わりたいと思って、初めてデートにも誘った。
映画館。これが正真正銘初デートなんだよ?
義兄さんになんて恋してないで、なにも苦労しなさそうな同級生の俺を見てみない?
そんな気持ちで過ごしてたけど、結局その後あっさり振られたんだよね。
それでも案外傷つかなかった。
もっとこうめっちゃ苦しくなると思ってたのに。
やっぱり俺ってちゃんと恋できないのかな。
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ゆきんこ(プロフ) - azuhibimamaさん» ありがとうございます!名前シリーズ番外編も合わせると結構長いのに嬉しいです😊キューピット深澤さんは私もお気に入りでした😌ありがとうございました!! (2022年2月4日 21時) (レス) id: 98af39605d (このIDを非表示/違反報告)
azuhibimama(プロフ) - 名前シリーズを昨日から一気読みしてしまいました!すごく面白い!深澤and佐久間のお話が特にお気に入りです! (2022年2月4日 19時) (レス) id: a411539623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年6月25日 11時