五品目 ページ7
side.A
深緑の彼...もといお偉いさん(多分)は、桜餅大福を口に入れると
目を見開いて動きを停止した
詰まらせてしもたんかと心配になり、声をかけようと口を開く
『だ、大丈夫ですか?』
彼は僕の声に反応せず、だんだんとぷるぷる震え始めた
やばいどないしよう
焦っている僕を裏腹に深緑の彼は、ばっと顔を上げたかと思うと
「お、美味しいめう〜！！！」
といきなり叫びはった
め、めう......???
聞いたことのない言葉に、というか
客さんがいきなり豹変(?)したことに戸惑ってしまう
すると彼は我に帰ったのか、「コホン」と一つ咳払いをして
「...失礼しました」
とあの柔和な笑みを浮かべた
どうやらあちらが素のようだ
ちょっと面白かったので袖で口元を隠し、
『ふふっ、ええですよ、たんとおあがってください』
と笑い混じりに答えた
それに少し恥ずかしそうに苦笑した彼は
紅茶を手に取ると、一応と思って出した角砂糖が入った小さな壷の蓋を開け
4、5個ほどどぼどぼと躊躇うことなく紅茶の中に入れた
......相当甘党さんなんやろなぁ
若干笑顔が引きつるが、頑張って耐える
客さんがスプーンで紅茶をぐーるぐーる混ぜると
じゃり、じゃりと砂糖の溶け残りの音がする
絶対僕あれ飲まれへんわ...
その紅茶を一口含んだ彼は、思い出したように「ああ」と呟くと
「そういえば、店の奥に階段を見つけたのですが
二階は住居スペースなんですか?」
と聞いてきた
「少し気になったので」と笑う彼に、『そうですねぇ』と表情を崩さずに言う
『だいたいそないな感じですわ
あとは...そうやなぁ...僕個人の客さんやらをお連れする個室があるくらいやろうか』
「亭主個人に来るんですか?」
そう不思議そうに問われ、笑って答える
『だいたいの客さんは商い関連ですわぁ』
その答えに「なるほど」と納得したような顔をして、彼はフォークを手に取った
ーーーーーーーーー
side.O
全部の料理を食べ終え、ふぅ、と一つ息をつく
噂は本当だった
頼んだ品全部美味しかったし、何より店内の雰囲気が非常に心地いい
亭主さんも悪い人には見えんかったし
噂教えてくれたエミさんに感謝やなぁ
香色の彼も何度かここに訪れたらしいが
彼が訪れた日は尽く閉まっているという
我ながら本当に運が良いと思う
帰ったらグルッペンとエミさんに自慢してやろう
そんでもってひとらんに教えたろ
俺はほくほくした気分でお店のレジに向かった
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ヤオリム(プロフ) - 夢主君の喋り方好きやなぁ。落ち着いた感じがしてええなぁ......。僕全然落ち着きがないねん( ;∀;)マ ジ で。← 一言でまとめると『マジでこの作品好き。』 (2020年2月22日 13時) (
レス) id: 5300aa66a5 (このIDを非表示/違反報告)
藍色鳩羽 - しあ。さん» ﾌｧｯ嬉しいお言葉ありがとうございます...！！そう言って頂けて幸いです！これからも更新頑張るので読んで頂けると嬉しいです！ (2018年7月9日 21時) (レス) id: bb5ce71838 (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - 描写細かいし色々と神やしサクラ君結構好きやし夢主君ドストライクやしぃ…好き(語彙力低下) (2018年7月8日 21時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
藍色鳩羽 - 井ノ原鈴華さん» 気付かなかった...！！誤字報告ありがとうございます！修正しました (2018年7月7日 19時) (レス) id: bb5ce71838 (このIDを非表示/違反報告)
藍色鳩羽 - トルンさん» それは良かった...！確かに最近マンちゃん動画出てないですねぇお声が聞きたいです()そう言って頂けて嬉しい限りです！！おおほんとですかwありがとうございます！更新頑張ります (2018年7月7日 19時) (レス) id: bb5ce71838 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍色鳩羽 | 作成日時：2018年6月5日 22時
