三品目 ページ5
side.A
『う〜ん、常連さんがよう注文しはるのは...“桜餅大福”やろうか?』
だいたいの客さんはこれ頼んでお会計のときに「美味しかった」言うてくれはるし
なかには「持ち帰りはできないんですか」と聞いてくる人もおったしなぁ
多分これが定番やと思う......多分
お偉いさん(多分)はそれを聞いて「ありがとうございます」と言って
うんうん唸りながら暫くメニューとにらめっこした後
何かを決心した様子で「うん」と呟くと
「じゃあそれと、“ザクロタルト”をお願いします
お茶はフレーバーのアイスで」
と言って顔を上げた
『畏まりました〜、一応ご確認します
桜餅大福とザクロタルト、お茶はフレーバーのアイスでよろしいやろうか?』
「はい」
『ほな、少々お待ちくださ〜い』
ゆるーく返事をしてメニューを受け取り、厨房に向かう
彼は、ザクロタルトとレモンパイを見て悩んでいた
メニュー見て唸ってたのガン見してたから分かる
今日はもう彼が帰ったら店閉めるし、少しくらいサービスしてもええやろ
鼻歌交じりに厨房へ続くドアを開け、着ていた羽織を近くにあった椅子の背もたれにかける
桜餅大福と、ザクロタルトと、レモンパイ
お茶はフレーバーのアイス
脳内で先ほどうけた注文を反復する
『よっし、ほなつくりましょか！』
頬を両手でペチッと叩いて気合いを入れ、
まずは手を清潔にするために水道の蛇口を捻った
ーーーーーーー
side.O
亭主が奥の厨房に行った後、俺は暫く店内をキョロキョロと見渡していた
どのテーブルにも飾ってある花々は、どれも瑞々しく咲いている
テーブルや床もピカピカだし、手入れが行き届いているのがはっきり分かる
一番目を惹いたのは店に入ってからすぐにある小さなサクラの木だ
きっと極東の国から持ってきたのだろうそれは
誰から見ても分かるほど丁寧に手入れされていた
この店が大事なんやろなぁ...
しみじみそう思った
ふと、亭主が入っていった店の奥に目を向けると
奥に階段があることに気づいた
二階があるんか...もしかしたら住居スペースやろか...?
ちょっと気になるし、後で聞いてみるかぁ
注文してから30分くらい経っただろうか
両手にお盆を抱え、満足げな表情をした亭主が奥の厨房から出てきた
どうやら注文した品ができたらしい
『こちらが桜餅大福とザクロタルト、レモン入パイになります〜』
......ん?
ーーー
この話の中の季節は春になる少し前くらいです
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ヤオリム(プロフ) - 夢主君の喋り方好きやなぁ。落ち着いた感じがしてええなぁ......。僕全然落ち着きがないねん( ;∀;)マ ジ で。← 一言でまとめると『マジでこの作品好き。』 (2020年2月22日 13時) (
レス) id: 5300aa66a5 (このIDを非表示/違反報告)
藍色鳩羽 - しあ。さん» ﾌｧｯ嬉しいお言葉ありがとうございます...！！そう言って頂けて幸いです！これからも更新頑張るので読んで頂けると嬉しいです！ (2018年7月9日 21時) (レス) id: bb5ce71838 (このIDを非表示/違反報告)
しあ。(プロフ) - 描写細かいし色々と神やしサクラ君結構好きやし夢主君ドストライクやしぃ…好き(語彙力低下) (2018年7月8日 21時) (レス) id: 3344a8c17f (このIDを非表示/違反報告)
藍色鳩羽 - 井ノ原鈴華さん» 気付かなかった...！！誤字報告ありがとうございます！修正しました (2018年7月7日 19時) (レス) id: bb5ce71838 (このIDを非表示/違反報告)
藍色鳩羽 - トルンさん» それは良かった...！確かに最近マンちゃん動画出てないですねぇお声が聞きたいです()そう言って頂けて嬉しい限りです！！おおほんとですかwありがとうございます！更新頑張ります (2018年7月7日 19時) (レス) id: bb5ce71838 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍色鳩羽 | 作成日時：2018年6月5日 22時
