23.A ページ23
〆．
「俺、彼女なんかできてへんから！」
「…………？」
キョトンとするAちゃん。
いやいやいや、お前が振ったんは全校生徒が知ってるからな？
でもまあ、完全なるしげの片想いと見た。
下手にAちゃんが喋ってしまうと(「しげくんのことが好きな人の恋を応援したくて」的な)、しげはショックで再起不能になってまう……かも。
ここは……うーん。
「照史っ」
「あ、はまちゃん」
「全部わかったんよ、しげに告白した女子が、Aちゃんにいらんこと言うて……！」
「ちょ、はまちゃん声大きい…」
「は？どういうことやはまだ！！！！」
あー、しげに聞こえてもうた。
「Aちゃん、あいつになんかされたんか！？」
Aちゃんは、きっと何も言わんやろう。
自分を責めてると思う。
ここで何があったか言うたら、余計に波風立ててしまうと思ってんねやろうな。
「今、淳太と望が、その女の子と友達らと話してるわ……平和的な解決したらええねんけど」
「いやいやいやいや、理性失いやすい二人やん！？」
はまだなんてことを！！
Aちゃんのためなら戦争起こしかねん奴らやで？しげもやけど。
しげははまちゃんに突っかかるのをやめ、Aちゃんと向き直った。
「………Aちゃん。話して？」
一番こういうので爆発しそうやのに、冷静になってる。すげ。
しげのこと見直したわ。
「ちゃんと俺の目見て」
…………あ、でもなんか下心満載な顔してる。
「私………しげくんのこと好きな人たちからしたら、邪魔なんだよ……」
Aちゃんの手が、しげの方に伸びた。
「しげくんと、仲良くしたいのに……お話しして、いっぱい笑い合いたいのに……」
その手を掴み、自身の方へ抱き寄せたしげ。
ひゅー、男らしい。
鼻血は見んかったことにしといたるわ。
〆．
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作者名：はゆな
| 作成日時：2018年5月27日 14時
