きづけ、ばか

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「ちゃうよ！細やかな気配りができるイケメンやね〜って！確かに身長も細やかやけど！」

「やかましいな！」

「自分で言い出したやんか！」



神ちゃんと話すのは楽しい。

私よりはずっと高い身長を、神ちゃんは気にしているみたいだ。

それが面白くて、思ってはないけど小さいっていじりたくなる。




「俺よりちびと一緒にいると気分ええわ」

「うわ、人を見下した優越感とかサイテー！」



すると、急に立ち止まってピタリ止まる神ちゃん。



「…どしたん？…あ、サイテーとか、ほんまは思ってないよ？！」

「…A、あっちの道から行こうか」

「？ こっちの方が近いやん」





あ。


「A…」


鼻にかかった男の子にしては高い声が、遠慮がちに私の名前を呼ぶ。

いつもいつも聞きたかった声。



そろりと声の方に目を向けると、眉間にシワを寄せたシゲ。


不機嫌なときの顔、してる。



そんな顔するぐらいなら、呼ばんといてよ。








隣に彼女、おるくせに。

ユカちゃん、不思議そうな顔してるよ。




「…あ、シゲやん！やっほ」


無視するのもおかしいかと思って、できる限りいつも通りに振る舞う。


『…大毅くん？お友だち？』

「あ、まぁ」

大毅くん、とか、呼んだこともない。
こんな可愛い子に、こんな風に呼ばれたら、嬉しいんだろうな。


「そんなとこです！ユカちゃんやろ？シゲから聞いてたよ〜！こいつアホやけど、本当にユカちゃんのこと好きやから、よろしくしてあげて！」


言いたくもないことが、どうしてこんなにベラベラと喋れるんだろう。

隣の神ちゃんも、そんな私にビックリしている。


『そ、そうなん、ですか…！わ、私をす、好き…？』

「そやで！ほんまユカちゃんユカちゃんってうるさいから…
あ、私は木村Aです。シゲの友だち！よろしくね」

よろしくする気なんてないのに。

なんか喋らなきゃってヘラヘラした言葉がポロポロ出てくる。


『あ、私、平井ユカって言います！その、大毅くんとは…仲良くさせてもらってます』

うつむきがちで、照れながらニコニコと話すユカちゃん。


あ〜、可愛い子やな〜。
こりゃ惚れる。





「…A、その横の男は？誰なん？」

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