WESTボツネタ集

《青》怒られたい流星くん１ ページ45

〆．



「うわっ、Aごめん！前見てへんかった、」



「大丈夫大丈夫〜」



「Aちゃん、この前借りた本なくしてもた…」



「ああ、いいよ別に！」



へらへら笑い、軽く手を振る。



「Aって全然怒らんよな」



そういうふうに言われるようになったのは、最近の話ではない。



まあ今のは全然怒るに足りないけれど。



失礼な発言とか、わざとらしい攻撃に対してはイラッとするよ？



顔には絶対出さないけどね。



それであっち怒らせて喧嘩とかなったら面倒だもん。



事なかれ主義。



喧嘩しようと思えるほど他人に興味無いし。



だから、これからもずっとそうなんだと思ってた。



誰かに怒ることなく、生きていくんだと思ってた。



あなたに出会うまでは。



「ねー、流星」



「ん？聞いてへんかった」



「もー、また？……あっ、アイス食べてる！？二個目でしょ、お腹壊すじゃん！」



「ええのー」



「もー！！」



出会った瞬間に「一目惚れしたから今から恋人な」と意味不明なことを言い出し、



それに乗った結果である。



「もっと怒って？」



こっちは流星の健康を気にして注意してるのに、のほほんとしてるんだから。



もっと罵声を浴びせて、とおねだりしてくるこいつには憤慨。



「何したらAはもっと怒るんかな〜」



その発言で既に怒りですよ。流星さん？



「Aの怒った顔可愛ええんよ。怒った時にぷくーってすんのも好き。たまに口悪くなるんもええな。



でも何より、俺のために怒ってくれて、俺にしかその顔見せへんってのがたまらんわ」



やから殴る勢いで怒って？……と。



こっちは反省してほしくて怒ってるのに、それ目的で色々やらかすなんて本末転倒。



ちなみにこいつは全然Mではない。夜は完全にS。



なんなら昼だって、私に怒られたくて意地悪してくるんだから、ある意味Sだ。



「とりあえずおしり叩いて？」



「は？」



〆．

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