《赤》吸血鬼２ ページ27
〆．
大人になってからは、そんなことも少なくなった。
いくらどんくさい私だって学ぶ。
しかし私が怪我をしなければ、大ちゃんはその舌に血の味を見ることもない。
大ちゃんは少し残念そうだった。
「他の人の血は違うの？」
「全然ちゃうよ、Aのだけ美味い」
今は幼なじみとも腐れ縁とも言える関係。
「じゃあ私、大ちゃんの特別な人なんだね」
「今更やな、ずっとそうやで？」
付き合いがこんなに長いのは大ちゃんだけ。大ちゃんだって私だけ。
それは確かに特別だろうね。
「ね、大ちゃ……っ、」
大ちゃんに話しかけようとよそ見をしてしまい、カッターで指の先を切ってしまった。
折ったばかりで鋭い刃は、スパッと私の皮膚を切り裂いた。
あ、と思った時には血が溢れ出し、指を伝って手のひらや手の甲に広がる。
「Aっ…」
大ちゃんは慌てて駆け寄り、「大丈夫か！？痛いな、でも大丈夫やで」そう言って口を開けた。
指が生暖かい大ちゃんの口内に覆われ、見えないけれど、舌が指を行き来するのがわかる。
ひとしきり舐めた後に指は解放され、今度は乾きかけた手のひらと手の甲を綺麗にしていく。
ただ血を舐めているだけなのに、なんて妖艶なんだろう。
愛しいものを見るような瞳。
そうしてまた指先から流れ出す鮮血を求め、大ちゃんの舌は忙しなく動いた。
「…………美味しい？」
あの時と同じ質問に、
「最高や……。永遠に味わってたい」
頬を紅潮させた大ちゃんはそう答えた。
〆．
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な(プロフ) - 『助けて』がものすごく好きで何回も読み直しちゃいます！！作品って出ないですかね、、？（ (2021年4月13日 17時) (
レス) id: 2564ce127a (このIDを非表示/違反報告)
はゆな(プロフ) - 瀬結さん» コメントありがとうございます♪どうぞどうぞ、私もめちゃくちゃ好きな設定なので普及してほしいです(笑)頭の中でも執筆するでも自由に妄想してくださいませ！ (2020年4月2日 11時) (レス) id: 0477dc60f8 (このIDを非表示/違反報告)
瀬結(プロフ) - 『神ちゃんラブな君に。』がドストライクすぎます！！最高です！！勝手に続き妄想しててもいいでしょうか？？ (2020年4月2日 7時) (レス) id: 3ef3bc6ba7 (このIDを非表示/違反報告)
萌(プロフ) - カフェのカレ内容好きすぎて…続編期待してもいいですか？！ (2019年6月3日 1時) (レス) id: fadb0e3e13 (このIDを非表示/違反報告)
名無し61216号(プロフ) - なつの恋びと最高でした普通に小説で出していただきたいくらいです！これからも頑張ってください (2019年4月30日 16時) (レス) id: f0a5adcd2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2019年4月22日 18時
