WESTの8人目は愛され末っ子ガール3

＊ ページ37

〜小瀧side〜


いよいよ来週に迫ったツアー初日

俺らも気合入れて細かい修正とかしてたら

突然会場全体の照明が落ちて真っ暗になった



・



・



・


照明が落ちてからしばらく経った

考えたのはAのこと

あいつ昔っから暗いのあかんからな…


すぐ隣におるはずやからと思って

Aがさっきまでおった方向に

手を伸ばしてみたけど、その手は空を切るだけ


"A？大丈夫か？"


そっと話しかけてみるけど返事はない



誰かAのとこ行ってくれたんかな？



○「すみません！まもなく照明復旧しまーす！！」


それからすぐスタッフの声が聞こえて

俺らも一安心………したのも束の間



ﾄﾞﾝｯ


暗闇に響き渡る鈍い音

なんか胸騒ぎがする


中「大丈夫ですか？なんか機材倒しました？」

○「いや、こっちはなんとも…」

桐「とりあえず今はこのままで

照明ついてから見ましょか」


ｶﾞｺﾝｯ


物音がしてすぐに照明がついて

ステージを見渡してみるけど

機材が倒れた形跡はない


………あれ？Aは？


そういえばAの姿が見えへんなぁ

と思って近くにおった濱ちゃんに

聞こうと思った瞬間

女性スタッフの叫び声が聞こえてきた


◆「Aちゃん！？！？大丈夫！？」


女性スタッフはステージの下を覗き込んで

Aの名前を呼んでる

7人で慌てて駆け寄ったら

ステージの下でAが倒れてる

こめかみの辺りからは血も出てて

頭が真っ白になった


中「とりあえず救急車呼んでください！！」

桐「A？A聞こえる！？」

重「A！A！！！」


淳太が救急車を呼んでもらうように

スタッフの人に伝えて

照史が応急処置をしてる間

それを黙って見ることしかできひん俺

メンバーもAに呼びかけたりしてるけど

それさえもできひん


なんであのときすぐに

Aの側に行かんかったんやろ…

＊→←忍び寄る黒い影

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す