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「じゅーんたっ」
「あ、流星」
「起きとっても大丈夫なん?」
「おん。今日は調子ええ」
流星と出会って6か月。
付き合い始めてからは3ヶ月。
入院を余儀なくされた俺に、流星は毎日会いに来てくれていた。
俺が毎日来たいからええのって俺の説得も聞かずに。
俺が寂しさを感じへんぐらい、俺に寄り添ってくれていた。
「あ、ここ!おもしろそう!」
「えぇ、ここ?淳太は頭ええけど、俺が行ってもたぶん全然分からへんで?笑」
「ええやん笑 たまには流星も勉強しとき笑」
いつものようにたわいもない話をして。
たとえ残り少ない命でも、幸せやった。
そんなときに気づいてしまった。
流星の心に秘めた想いを。
ー
飲み物買ってくるって出ていった流星がなかなか帰ってこんくて、探しに行ったときやった。
人がすごい集まってざわざわとうるさい。
もしかしたら流星も、何て軽い気持ちで近づいた。
「あ、りゅうせ···ぃ···」
奥の方に姿がちらっと見えて、人混みをかき分けながら奥に進んだ。
そこにおったのは間違いなく流星やったけど、どこか様子がおかしい。
若い男の子の首元をつかんで、流星は何かを叫んでいた。
「あの子、飛び降りようとしとったんやろ?」
「そうそう、それであの人が助けに入ったんやって」
周りの人がぼそぼそ呟いとるのを頭の隅で聞きながら、流星の言葉に耳を傾ける。
流星は、泣いていた。
俺の前で涙を流したことなんて、1度もなかったのに。
「あんたにどんな事情があるんかは知らへん。それでも命を無駄にすんなや!生きたくても生きれへんやつだっておんねん!」
「···っ」
「あんたがこれから生きれる時間は、他の誰かが生きたかった時間なんやよ?それを、無駄にするようなこと···」
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もも - せんさん初めまして。ほっこり温まる家族のお話とても感動しました。このお話を読んでたくさんの愛のカタチが存在してその1つ1つに意味があることを考えさせられました。どうかこれからも無理なさらず、頑張ってください。応援してます! (2019年2月22日 10時) (レス) id: a4141f2fac (このIDを非表示/違反報告)
モンチ(プロフ) - せんさんこんにちは。新作ありがとうございます。せんさんの作品本当に大好きです、頑張ってください! (2019年2月20日 10時) (レス) id: 21949260e2 (このIDを非表示/違反報告)
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