真っ白な箱の中で。 (ページ8)

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黄「もしかして、なんか言ってもうた？」

「···え？」

黄「ちっちゃい的な感じの···」

先生は言葉を濁したけど、心当たりはある。

いやありすぎる。

やって絶対地雷やもん、あれ。

黄「図星やね笑」

「っはい」

黄「あいつ、それ言われるのが１番嫌いやからさ笑後で謝っといた方がええで」

「ですよね···」

黄「まぁわからへんことがあったら何でも聞くとええよ。ここのことは誰よりも詳しいはずやから」

「そうなんですか？」

黄「おん。ちょっと話すのが苦手なタイプやけど、悪いやつやないから。仲良くしてやって？」

　

　

俺が頷いたのを見て、安心したように笑う先生。

その顔を見たら、なんかいてもたってもおれへんくて。

たまらず部屋を飛び出した。

　
黄「え、ちょ、望くん！？」

これじゃさっきの神山くんと全く一緒やのに、足は止まらんかった。

まだ自分がどんな状況なんか分かってへんし、

むしろ分からんことだらけで。

不安やったはず。

それなのに、なぜか神山くんとおったあの数分間は素の自分でいられた。

騒がしかったおかげなんかな。

心もちょっと軽くなった気がして。

今すぐに謝らなきゃあかんと思った。

この非日常に、光を与えてくれた彼に。