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橙side
それから始まった治療は、めちゃくちゃ辛いものやった。
緑「···げほ、おぇ···はぁっはっ···ひゅ、」
薬の投与が始まってから5日。
最初は全然平気そうやったもんちを見て、
副作用が軽いんやないんかってみんなで大喜びした。
今となっては、その記憶さえも懐かしい。
それほど、1日の体感時間が長かった。
高熱、倦怠感、吐き気、頭痛。
もんちに襲いかかるような副作用は、日に日に酷くなっていって。
これ以上酷くなりませんように。
ちょっとでも楽になりますように。
そう願っても、もんちはだんだんと確実に弱っていった。
ライブの打ち合わせも始まって、なかなかお見舞いに来れへんくて。
ただでさえ何にも出来ひんのに、
そばにいてやることさえ出来ひんことが、悔しくてたまらんかった。
「落ち着いた?」
緑「んっ···まぁまぁ···かな、」
起き上がることさえ出来ない。
機械に助けてもらわんと、自分で呼吸することさえしんどい。
そんな中でももんちは、柔らかい笑顔をいつも俺たちに向けてくれていた。
ふにゃって柔らかい笑顔は、なんだかすごい儚くて。
仕事のない日は、毎日病室に通った。
全員が行けへん日は、電話をした。
そうでもせぇへんと、またもんちがおらんくなりそうで怖かったから。
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澄子(仮名) - 何回見ても泣けます!コメントを書いているときも泣いています!感動系を初めて見させていただいたのがこの小説なんです。このまま頑張って書いてください。長々と失礼いたしました (2018年10月1日 17時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
♪♪♪ - 続き楽しみにしときます! (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
みーさん - 号泣しました 涙が止まりません! (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
プリッツ - とても面白いです! (2018年3月19日 1時) (レス) id: 95e9ce1329 (このIDを非表示/違反報告)
モンチ(プロフ) - コメント失礼します!私、こういう作品待ってたんです!これから頑張って下さい! (2017年9月19日 23時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)
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