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青side
あの後、神ちゃんにつけられていた酸素マスクも無事はずされて。
しばらく話しとるときに、照史が思い出したように声をあげた。
「どした?」
橙「いや、ライブの話···」
気まづそうに話す照史を見て、みんなの顔色が変わる。
神ちゃんは、不思議そうに俺たちを見つめていた。
橙「あんな?実は、ライブが決まってん」
緑「え!そうなん?おめでとう!!」
黄「ジャニーさんには、よく考えて決めろって言われてんねんけど···まだ悩んでてん」
緑「なんで?やればええのに」
桃「俺らはっ···!神ちゃんと一緒に“7人”でやりたいねん!」
緑「···っ···」
その言葉に、苦笑いで目をそらす神ちゃん。
「···芸能界、戻ってこおへん?」
ぼそっと呟いた問いかけに、神ちゃんは静かに首を横に振った。
桃「···っなんでなん!?」
緑「···無理やよ」
赤「でもっ、俺たちがサポートすればっ」
緑「無理なもんは無理やねん!」
しげの声を遮った神ちゃんの荒い声が、病室に響く。
緑「俺にはもう···ちょっと前のことを覚えることすら出来へんねんで?ましてや台本とか、俺らの曲やって···とにかく、俺には無理やねん···」
しーんと静まり返った部屋。
”ごめん···今日はもう帰って“
神ちゃんの呟きに、誰も声を出すことなんか出来へんくて。
後ろ髪を引かれる思いで、病室を後にした。
病室を出ると、近くの椅子に座っていた杏子さん。
俺たちを見て、悲しそうに笑ったその姿が、さっきの神ちゃんの姿と重なって。
何も言えへんかった自分が、情けなくて悔しかった。
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澄子(仮名) - 何回見ても泣けます!コメントを書いているときも泣いています!感動系を初めて見させていただいたのがこの小説なんです。このまま頑張って書いてください。長々と失礼いたしました (2018年10月1日 17時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
♪♪♪ - 続き楽しみにしときます! (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
みーさん - 号泣しました 涙が止まりません! (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
プリッツ - とても面白いです! (2018年3月19日 1時) (レス) id: 95e9ce1329 (このIDを非表示/違反報告)
モンチ(プロフ) - コメント失礼します!私、こういう作品待ってたんです!これから頑張って下さい! (2017年9月19日 23時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)
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