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流星の家を飛び出たのはいいものの、まだ朝の4時。
新幹線が動いとるはずがなく、とりあえず駅のホームで待つことにした。
昨日が遅かったせいか、疲れが溜まっとるんかは分からんけど、ちょっと経ったらだんだん眠くなってきて。
うとうとしとる時に、誰かに肩を叩かれた。
顔を上げると、そこにはさっきまで側におってくれた人。
青「よっ」
「···流星?何してん、こんなとこで」
青「そりゃ、誰かさんみたいに神ちゃんを探しに?」
笑いながら俺の隣に座る流星に、不満気な顔を向ける。
そしたら、急に真剣な顔をして俺のおでこをペチッと叩いた。
「いたっ。何すんねん!」
青「あんなぁ。しげの考えとることなんて俺らにはすぐ分かんねん。伊達に一緒にやってきたわけやないんから」
「······」
青「神ちゃんが心配なんは分かる。せやけどそれでしげまで思い詰めたら元も子もないやろ?俺らはそんなん望んでないし、神ちゃんもそうやと思う」
「せやけどっ」
青「···俺も一緒に探す。やから、お願い。1人で抱え込まんで」
“しげまでおらんなったら、俺がおかしなってまうわ”
そう言葉を続けた流星の、いつもと違うへらっとした笑顔。
それを見て、初めてみんなに心配かけてもうたことに気づく。
「ごめんっ···俺は···」
絶対に、おらんくなったりせぇへんよ。
出しかけた言葉を、口にすることはできひんかった。
夢の中で神ちゃんが言った言葉と重なったから。
あの笑顔が、頭の中から消えへんねん。
···でも。
言葉をつまらせた俺に、流星が問いただしてくることはなくて。
流星の大きな手が俺の手をぎゅっと包む。
その手は温かくて、なんだか涙が出そうになった。
青「絶対、見つけよな」
「···おん」
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澄子(仮名) - 何回見ても泣けます!コメントを書いているときも泣いています!感動系を初めて見させていただいたのがこの小説なんです。このまま頑張って書いてください。長々と失礼いたしました (2018年10月1日 17時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
♪♪♪ - 続き楽しみにしときます! (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
みーさん - 号泣しました 涙が止まりません! (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
プリッツ - とても面白いです! (2018年3月19日 1時) (レス) id: 95e9ce1329 (このIDを非表示/違反報告)
モンチ(プロフ) - コメント失礼します!私、こういう作品待ってたんです!これから頑張って下さい! (2017年9月19日 23時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)
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