検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:138,883 hit

13 ページ14

流星の家を飛び出たのはいいものの、まだ朝の4時。


新幹線が動いとるはずがなく、とりあえず駅のホームで待つことにした。





昨日が遅かったせいか、疲れが溜まっとるんかは分からんけど、ちょっと経ったらだんだん眠くなってきて。


うとうとしとる時に、誰かに肩を叩かれた。


顔を上げると、そこにはさっきまで側におってくれた人。





青「よっ」


「···流星?何してん、こんなとこで」


青「そりゃ、誰かさんみたいに神ちゃんを探しに?」





笑いながら俺の隣に座る流星に、不満気な顔を向ける。


そしたら、急に真剣な顔をして俺のおでこをペチッと叩いた。




「いたっ。何すんねん!」


青「あんなぁ。しげの考えとることなんて俺らにはすぐ分かんねん。伊達に一緒にやってきたわけやないんから」


「······」


青「神ちゃんが心配なんは分かる。せやけどそれでしげまで思い詰めたら元も子もないやろ?俺らはそんなん望んでないし、神ちゃんもそうやと思う」


「せやけどっ」


青「···俺も一緒に探す。やから、お願い。1人で抱え込まんで」





“しげまでおらんなったら、俺がおかしなってまうわ”





そう言葉を続けた流星の、いつもと違うへらっとした笑顔。


それを見て、初めてみんなに心配かけてもうたことに気づく。






「ごめんっ···俺は···」






絶対に、おらんくなったりせぇへんよ。






出しかけた言葉を、口にすることはできひんかった。


夢の中で神ちゃんが言った言葉と重なったから。


あの笑顔が、頭の中から消えへんねん。






···でも。


言葉をつまらせた俺に、流星が問いただしてくることはなくて。


流星の大きな手が俺の手をぎゅっと包む。


その手は温かくて、なんだか涙が出そうになった。






青「絶対、見つけよな」


「···おん」

14→←12



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (206 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
422人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

澄子(仮名) - 何回見ても泣けます!コメントを書いているときも泣いています!感動系を初めて見させていただいたのがこの小説なんです。このまま頑張って書いてください。長々と失礼いたしました (2018年10月1日 17時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
♪♪♪ - 続き楽しみにしときます! (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
みーさん - 号泣しました 涙が止まりません! (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
プリッツ - とても面白いです! (2018年3月19日 1時) (レス) id: 95e9ce1329 (このIDを非表示/違反報告)
モンチ(プロフ) - コメント失礼します!私、こういう作品待ってたんです!これから頑張って下さい! (2017年9月19日 23時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:せん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年9月19日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。