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そんな思いも虚しく。
初めてみんなのことを忘れたのは、引っ越しをしてすぐのことやった。
その日は朝から頭痛がひどくて。
これが記憶を失う前兆やってことには、後々気づいた。
突然なったインターホン。
そこに映った人たちが分からへんかった。
知らん人かもしれんけど、なぜか見覚えがあってもやもやする。
「何？誰？」
その人たちを見て動揺した感じのおかん。
俺の問いかけにも、困ったように笑っていた。
あんたが大好きなメンバーやよ？
そう言われた瞬間、怖くなった。
バッと出てきた記憶は、何よりも忘れたくないものやったはずなのに。
記憶がなくなるってこういうことなんやって。
···怖くて、つらくて、苦しかった。
何よりも大切な人たちを。
絶対に忘れたくないと思い続けた人たちを。
こんなにも簡単に忘れてしまうんやって思うと、何か吐き気がして、トイレで吐いた。
涙が溢れて、止まらんくて。
···忘れたくない。
忘れたくなんかないのに。
メンバーのことを思い出せんかった自分が、めちゃくちゃ嫌やった。
それでも、こんな時でも支えてくれたのはメンバーで。
テレビに映るみんなを見るたびに、心が安らいだ気がした。
俺はあんなに素晴らしい人たちに囲まれて、めちゃくちゃ幸せやったんやなってそう思えて。
···泣くのはこれで最後にしようと思った。
みんな頑張っとるのに、俺だけ泣いてなんかいられへん。
いつでも、俺を支えてくれたのはみんなやった。
それなのに。
先生には進行が早いと現実を突きつけられて。
物事を忘れることがだんだんと増えていく日々。
毎日襲ってくる頭痛も、その回数に比例して増えていった。
寝て、起きて、ほとんど意味のない薬を飲んで、ぼーっとする。
そんな色のない日々を過ごして半年。
ついに先生からは、入院するように勧められた。
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澄子(仮名) - 何回見ても泣けます！コメントを書いているときも泣いています!感動系を初めて見させていただいたのがこの小説なんです。このまま頑張って書いてください。長々と失礼いたしました (2018年10月1日 17時) (
レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
♪♪♪ - 続き楽しみにしときます！ (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
みーさん - 号泣しました 涙が止まりません！ (2018年9月18日 18時) (レス) id: 62a0074be2 (このIDを非表示/違反報告)
プリッツ - とても面白いです！ (2018年3月19日 1時) (レス) id: 95e9ce1329 (このIDを非表示/違反報告)
モンチ(プロフ) - コメント失礼します！私、こういう作品待ってたんです！これから頑張って下さい！ (2017年9月19日 23時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)
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