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・・・
少し走ってから、彼がアリスに声をかける。
「おい、どこに向かってるんだ!?」
「わかんない！」
「……なら、こっちだ！わけわかんねぇまま走ってくわけにはいかねぇだろ！オレの家に行くぞ！」
彼はそう言って、アリスの返事を待つ事なく彼女が掴んでいた手を優しく外すと今度はアリスの手を掴んで(これも優しかった)、自分の家がある方向へ走り出した。
・・・
彼――ハッターの家だろう場所へ着き、中に招き入れられたアリス。案内された場所は、リビング、だろうか？少し広い部屋だ。部屋の中央に8人程が座れそうな大きなテーブルと椅子がある。テーブルには白い、端にレースのついたテーブルクロスがかかっていた。さらに、足元には緑の絨毯。それは、まるでお茶会の会場かのよう。
そんな場所に招かれたアリスはというと、部屋を見渡し、感嘆の息を漏らすだけだった。それもそうだろう、アリスのいた世界でこのような部屋の作りといえば、お嬢様に当たるような身分の人の部屋でしか見られないはずだからだ。一般家庭であるアリスが見たことがあるとすれば、それはお話の中だけである。
「すごい……！」
「あなたは、お客様？」
「お客様？」
「あ、あなた達は？」
「ぼくはマーチ」
「ネズミはスリーピーだよ」
「あたしは、白羽アリスよ」
アリスはいきなり目の前に現れた2人に驚きつつも、自己紹介をする。1人は緑のポンチョを羽織った、茶髪にウェーブのかかった髪にウサギの耳がある、マーチと名乗った、中性的な顔をした、少年。
もう片方はマーチの肩か、その下くらいの身長しかない、ライムグリーンのストールにピンクのワン ピースを着た、ボサボサのピンク髪に、ネズミ？の耳がある、スリーピーと名乗った、少女だ。何故かスリーピーは裸足だ。マーチはエンジニアブーツに似たブーツを履いているのたが。
どうしよう、とアリスが視線を迷わせた時だった。
「待たせて悪いな。適当に席に着いてくれ。紅茶を淹れてきたんだ。一息入れよう」
この部屋に入るなり何処かに姿を消していたハッターが紅茶の入ったポットとティーカップを人数分乗せたお盆を持って、戻って来た。紅茶独特の香りが、鼻をくすぐる。
「えぇ、そうね。そう思うと、なんだか一気にくたびれちゃった」
アリスは肩をすくめ、適当な場所に腰かけた。
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ユエル(プロフ) - クルルさん» コメありがとうございます！不定期更新ですが頑張りますね(^^) (2021年1月11日 13時) (
レス) id: 673d6f73a6 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - めちゃくちゃ面白い！！！！サイコーです！！続き待ってます！！ (2021年1月3日 23時) (レス) id: 297c8a2c3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月21日 1時
